ピアスやリングと沖縄の海を感じさせるアクセサリーなどの数々。実はこれ全て海の”あるもの”から作られているんです。

TRUE BLUE​ 玉村めぐみ共同代表
「黒は黒、赤は赤みたいな感じで色別に分けて、色別に分けるとすでにこれだけで少し可愛いんですけど」

素材はなんと『海洋プラスチックごみ』。海から漂着したごみを活用しているんです。

TRUE BLUE​ 玉村めぐみ共同代表
「私たちは可愛いや楽しい、ワクワクと言うのを入り口にこういう感じだったら海を綺麗にすることに対して興味を持ってみようかなって思ってもらえるような存在になることを一番、軸に置いています」

沖縄だけでなく近年世界的にも深刻な問題となっている『海洋プラスチックごみ』。毎年800万トン以上が世界で漂着していて、およそ8割が街から出た生活ごみと言われています。

このまま対策をしない場合、2050年には海洋プラスチックごみの量が魚を上回るとも予測されている危機的状況。県内では、海の景観を壊されてしまうことや海中に浮かぶビニール袋をウミガメが誤食してしまう事例などが挙がっています。

こうした課題を少しでも解決しようと立ち上がったのが、静岡県出身の玉村めぐみさん。

1年ほど前に沖縄に移住し、海洋プラスチックごみをアート作品などに生まれ変わらせるアップサイクルブランド『TRUE BLUE』の共同代表を務めています。

TRUE BLUE​ 玉村めぐみ共同代表
「もともとわたし環境問題に興味がなかった人間で、でも沖縄の海が大好きで、どんどん沖縄の海が変わっていっていることを肌で感じるようになってから、微力かもしれないが、1人でも良いからできることを始めたいという思いで今の活動をすることになりました」

1階は拾ってきたごみを色ごとに選別し粉砕などすべてを行う作業場。中でも重要なのは比重分離と言われる工程です。

TRUE BLUE​ 玉村めぐみ共同代表
「熱を加えると有害物質を発生してしまうプラスチックがあるので、このプラスチックが果たして有害物質を発生させるのかどうなのかを見極める方を比重分離で行っていきます」

粉砕したチップを水の中へ入れると、ごみに変化が見られます。

今野リポーター
「沈んだものと浮いているものがあるんですが」
玉村さん
「浮いたプラスチックはポリプロピレンとポリエチレンで、熱を加えても220度以下だったら有害物質を発生しないプラスチックなんですね。沈んでしまったプラスチックは、熱を加えると有害物質を発生してしまうようなプラスチックなので、どちらも使用するのですが、熱加えて良いのか悪いのかというのをこうして見極めています」

こうして青や黄色・オレンジと、色鮮やかなチップに!実はこれこそ玉村さんの狙いなんです。

TRUE BLUE​ 玉村めぐみ共同代表
「ごみのイメージを変えたいですね。環境問題や海のごみって難しかったり関わり辛かったり、退屈だなと思われることがほとんどだと思うんですね。私もそうだったので、あえてごみを『ごみ問題』と伝えたくないんですよ」

ごみを連想させない、可愛らしい店内。このシャンデリアはペットボトルから誕生したそう。

そんな2階には、ショップのほか体験コーナーも設けられてるほか、実際に海の現状を肌で感じてもらおうと、毎月1回誰でも参加できるビーチクリーンも行っています。

沖縄のきれいな海を守る、こうした取り組みは「海の豊かさを守ろう」というSDGsの目標につながっています。

TRUE BLUEが目指す持続可能な未来とは?

TRUE BLUE​ 玉村めぐみ共同代表
「環境問題や海のためになることとかに活動することが、カッコイイっていうふうに私はなってほしいなと思います。世界中の海でアップサイクルという取り組みが常識だよねと言う風になれば世界中の海のごみが減るし、海はつながっているし1つだよと伝えたい。」

『アップサイクル』を世界の常識に。私たちのすぐ側にこそ、解決のヒントが落ちているかもしれません。