山口県宇部市の楠こもれびの郷・くすくすの湯で、基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたにもかかわらず、温泉施設の営業を続けていたことが4日、わかりました。
宇部市によりますと去年12月26日以降、浴槽の水質検査をしたところ、4か所の浴槽から、基準値の最大2.7倍のレジオネラ属菌が検出されました。しかし、楠こもれびの郷の指定管理者・楠むらづくり株式会社は営業を継続。今年9月に保健所の立ち入り検査で判明し、今月2日、宇部環境保健所から市に、公衆浴場法と旅館業法違反の指摘がありました。
基準値を下回ったことが確認された2月中旬までの間、約2万1000人が利用しましたが、これまでに健康被害は確認されていないということです。源泉からレジオネラ属菌は検出されなかったことから、浴場内の清掃が不十分だったことが原因とみられます。
会見で、宇部市産業経済部の濵田修二部長は「ご心配をおかけし、おわびする。報告がなかったことは遺憾に感じており、再発防止に向けて厳しく指導したい」と謝罪。楠むらづくりの河村美祢子代表取締役は、営業終了後に浴槽の湯を抜き、毎朝清掃をしていたと説明した上で「清掃を徹底する必要があると思った。コンプライアンスの欠如で、市に報告しないといけないことを忘れていた」としています。
市では、くすくすの湯を3日午後から、水質検査の結果が出るまで温浴施設の利用を停止しています。