中国で最近、閣僚が相次いで姿を消すという、まるでミステリーのような事態が起きています。一体、何があったのでしょうか。

各地の海で対立する中国

9月25日、中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海のスカボロー礁付近。海に潜った男性が、海底に張られたロープに近づきます。

次の瞬間、ロープを手でつかみ、ナイフで切断。

これは、中国海警局の船舶などが設置したブイとみられ、フィリピン側が大統領の指示で撤去したのです。これを受け、中国は…

中国外務省 汪文斌報道官「フィリピン側には挑発行為によるトラブルを引き起こさないよう忠告する」

さらに中国は、別の漁場でも…

9月22日、アメリカのエマニュエル駐日大使が、SNSに中国漁船が、日本のEEZ内で操業しているとする画像を投稿。中国は各地の海で周辺国との対立を深めています。

まるで小説のよう・・・消える高官たち

こうした中、エマニュエル大使は中国国内で起きている“ある状況”を、「何かが怪しい」と指摘した上で、有名な小説になぞらえました。

「習指導部の閣僚たちは、今やアガサ・クリスティの小説『そして誰もいなくなった』の登場人物のようになっている」

登場人物が次々姿を消していくミステリーのような、不可解な事態が今、中国で相次いでいます。

2023年4月に、ロシアのプーチン大統領と会談しているのが、中国の李尚福国防相。

このあと、8月に北京で開かれた国際会議で演説する姿が確認されたのを最後に、忽然と表舞台から姿を消します。

その動静について、海外メディアから質問が上がっても…

中国外務省・毛寧報道官 「おっしゃっていることがよく分かりません」

国防相に続いて、外相も・・・

重要閣僚が突然、姿を消す事態は、6月にも起きていました。

習近平国家主席の信頼が厚いとみられていた、当時の秦剛外相が1か月間、消息を絶った後、突如解任されたのです。

欧米メディアは、秦氏が不倫関係にあった女性アナウンサーとの子を、アメリカで代理出産させており、習政権がこうした子どもがいることを問題視したのでは、と報じました。

次々閣僚が姿を消す状況に、専門家は…

富坂聰・拓殖大学教授 「出世した人物でもあっという間に消えてしまう。かなり厳しいことが背後にあるのではないか。お金の問題、、外国との問題、特に一番敏感になっているのはアメリカとの情報漏洩。スパイの摘発とかものすごく増えているので」