東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について新潟県の花角英世知事は28日、「原子力規制委員会が行う追加検査の状況を踏まえながら検討していきたい」と述べました。

28日の新潟県議会9月定例会の代表質問で、花角英世知事は柏崎刈羽原発の再稼働議論のスケジュールについて問われ、「原子力規制委員会の追加検査の状況を踏まえながら検討していきたい」と答えました。
その上で「県独自の3つの検証や追加検査、柏崎刈羽原発の安全対策の確認や、原子力災害発生時の避難の課題への取り組みなどを材料に議論を進め、県民の意見を聞いた上で判断し、県民の意思を確認することを考えている」と述べました。
新潟県は、福島第一原発事故の「事故原因」「事故が及ぼした健康と生活への影響」「安全な避難方法」の3つについて独自に検証を行い、今月13日、検証を総括する報告書を発表し、報告書間で「矛盾や齟齬はなかった」と結論付けていました。

この県独自の3つの検証について柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は、28日の定例会見で「検証委員会ではそれぞれの観点について非常に長い時間をかけてもらい、多数の提言がなされていると理解している。我々が対応すべきところはしっかり対応する」と話しました。その上で、「東京電力に対する県民からの信頼を回復するために実績を積み上げていきたい」と述べました。

柏崎刈羽原発ではテロ対策上の不備が相次いで見つかり、原子力規制委員会から、改善を確認する追加検査と原発を運転する「適格性」があるか再確認するための検査を受けています。稲垣所長は追加検査について5月に「改善が不十分」と判断され検査の延長が決まった4つの課題のうち、これまでに「不審者などの侵入に対する正常な監視の実現」など2つが改善できたとして、原子力規制庁に報告したことを明らかにしました。