九里が粘投 島内 60試合登板(9月24日・ヤクルト戦)
広島に戻った日曜日。試合開始前にはマツダスタジアム公式戦での車いす席来場者が10万人に達し、セレモニーが行われました。記念すべき10万人目となったのは、広島・府中町の 藤川進也 さんです。車いす席には最大で年間1万2000人が来場し、1040試合目での達成となりました。自らも車いす席を招待している 磯村嘉孝 も喜びを語りました。

広島カープ 磯村嘉孝 選手
「車いすの方が野球の応援に来られるこういう環境であったり、ホスピタリティ、マツダスタジアム・カープの良さが詰まったからこそ10万人達成できたと思います」
そして試合は、勝てばクライマックスシリーズ進出が決まるヤクルトとの最後の対戦。先発は、2年ぶりの二けた勝利まであと2勝に迫る 九里亜蓮 でした。1回、キレのあるストレートで1番・塩見を三振。3番・山田からは緩急を使って三振を奪い、三者凡退の立ち上がりを見せます。

2回には5番・サンタナ、6番のオスナと連続三振に切って取ります。そして、3回にも低めに制球された変化球で2つの三振を奪い、ここまで6奪三振。ヤクルトに打者一巡で1人もランナーを出させない文句なしの立ち上がりを見せます。
すると、その裏の攻撃、先頭バッターで九里が打席に入ると、センター前に弾き返し、出塁します。

その後、フォアボールと送りバントで1アウト・3塁・2塁にチャンスを広げ、バッターは好調を維持する 小園海斗 。ヒットとはなりませんが、しっかりと打球を転がしてセカンドゴロ。ピッチャー・九里が自らの足で先制のホームを踏みます。

しかし、その直後の4回でした。九里が1番の塩見にデッドボールを与え、この試合、最初のランナーを背負うと、送りバントでランナーは2塁。打席には山田、逆方向への大きな当たりは、ライト・末包昇大 の横を抜ける同点のスリーベースヒットに。
なおもピンチは続き、迎える4番・村上にも逆方向へ長打を浴びてしまい、この回、逆転を許しました。それでも九里は、その後のピンチではヤクルトに追加点を与えません。得点圏にランナーを背負いながらも4回の2失点のみで6回まで切り抜けます。
迎えた7回、ツーアウトながらここもランナーを2塁に背負った九里。球数が100球を超えたところでした。塩見に右中間を破られる痛恨のスリーベースヒットを打たれ、追加点を許してまい、この回で降板となります。

2点ビハインドとなりますが、ここは勝利に向けて 新井貴浩 監督は、勝ちパターンの中継ぎ陣を投入。8回には 島内颯太郎 がリーグトップとなる今シーズン60登板目。23日も無失点でマウンドを後にします。

9回には 矢崎拓也 。ピンチを招きますが、ここも無失点でつなぎ、勝利への執念を見せます。

しかし、打線はヤクルト先発の小川を打ち崩すことができず、9回にはヤクルトの守護神・田口にリーグトップタイとなる33セーブ目をマークされます。これで今シーズン、マツダスタジアムでは初のヤクルトへの敗戦となり、クライマックスシリーズ進出決定は持ち越しとなりました。