「モルック」というスポーツをご存じでしょうか。木製の棒を投げてピンを倒し、得点を競うスポーツです。このモルックの新潟県内での普及に取り組む、一人の女性を取材しました。活動の先に見据えるものとは?

「あー2点!あー悔しい!」

「新潟モルッククラブ」の会長で新潟市出身の木村有希さん 30歳です。

毎週月曜日の夜、新潟市中央区を流れる信濃川の側で、クラブのメンバーと一緒にモルックの練習に励んでいます。

モルックとは、木製の棒を下から投げてピンを倒す、北欧フィンランド発祥のスポーツ。

倒したピンに書かれた数字が得点となり、ぴったり50点を先に取った人の勝ちです。ただし、複数のピンを同時に倒すと倒した本数が得点となります。

初めての参加や飛び込み参加でも、木村さんのクラブはもちろん大歓迎です。

【新潟モルッククラブ会長 木村有希さん】
「『ゆきむ』です。新潟モルッククラブの代表をしております。よろしくお願いします」

『ゆきむ』は木村さんのクラブ内のあだ名「モルックネーム」。メンバーそれぞれに名前が付けられています。

モルックネームのおかげで親近感が湧き、初対面でもすぐに打ち解けられるのだそう。

10年前、木村さんは大学の留学先のフィンランドで、モルックで楽しそうに遊ぶ子どもたちの姿を目の当たりにしたそうです。

県内でもモルックを”普及させたい””楽しみたい”と考え、21年の7月、「新潟モルッククラブ」を立ち上げました。

モルックは少しずつ普及し、現在、県内には約10のクラブがあるということです。
【初参加  モルックネーム ながしーさん】
「ウェルカムな感じで、すぐにモルックネームから打ち解けることができてうれしかったですね。狙って当たった時の快感、めちゃくちゃ楽しかったです」

【初参加 モルックネーム ザッキーさん】
「ゆきむさんがいるから、いろんな人が集まってくる」

モルックの普及活動に手応えを感じてきた木村さん。これからの目標を聞いてみると…
【新潟モルッククラブ会長 木村有希さん】
「新潟にモルックの世界大会を誘致するのが目標です」

8月、木村さんはフィンランドで開催された、年に1度の世界大会に出場しました。

【新潟モルッククラブ会長 木村有希さん】
「『世界の風を浴びて新潟に世界大会を持ってくるぞ』というモチベーションをつくってきたところです」

3年後に地元 新潟市へ世界大会の誘致を目指します。

同時に、木村さんには大切な目標がもう一つ。

【新潟モルッククラブ会長 木村有希さん】
「モルックを通じて多様な人が交じり合ったりとか、多世代だったりとか、フラットな関係値で交じり合うようなコミュニティづくりを、これからもどんどんしていきたい」

大会誘致とコミュニティ作り。モルックを通した木村さんの取り組みに、これからも注目です。