国連総会出席のためニューヨークを訪問していた岸田総理は、すべての日程を終えて帰路につきました。成果と課題について報告です。

多様性の象徴でもある街・ニューヨーク。今回の外遊で岸田総理は、多様な国際社会が協調していけるように、「ある言葉」を繰り返し使って訴えました。

岸田総理
「人類全体で語れる共通の言葉が必要なのではないか。『人間の尊厳』が守られる世界を目指すべきであるということを強く訴えました」

官邸幹部は「人間の尊厳」という言葉のチョイスについて、「『人権』という言葉を嫌がる国もある中で、誰もが共感できる言葉であり、将来的に日本がリーダーシップをとっていくために選んだ」と解説しています。

そして、岸田総理のライフワークでもある核軍縮についても、30億円を拠出して海外の研究機関・シンクタンクに議論の場を設けると表明するなど、強い思いは発信できたと言えます。

一方で、出席を予定していた国連の気候変動に関するイベントでは、発言の機会が与えられませんでした。

会合の担当者によりますと、発言を許されたのは野心的な政策などを持つ人のみだったということで、気候変動問題に対する日本の本気度に疑問符が付けられたことになります。

今回打ち出した、「『人間の尊厳』が守られる世界」という言葉を国際社会に定着させるには、引き続き、岸田総理の指導力と実行力が求められます。