これまでに例がなかった富士北麓でシャインマスカットを栽培するという歴史的な一歩を踏み出した男性の思いに迫ります。

渡邊功一郎さん:
この辺のも切っちゃっていいから。

富士吉田市向原の畑です。

作業しているのは富士吉田市新町の渡邊功一郎さん(53)です。
普段はキクラゲの生産や宿泊施設を経営している渡邊さん。
こちらで作っているのが…

ブドウの高級品種シャインマスカットです。

渡邊さん:
フルーツ王国といわれている中で(富士吉田で)フルーツ作られている話を聞いたことがなくて、チャレンジしてみたいと思った。

渡邊さん:
(糖度が)18.8ぐらいまで上がってますね、収穫してもいい時期かな。

去年から露地でブドウづくりを初めた渡邊さんは今年、富士北麓地域で初めてシャインマスカットの大量生産に成功しました。
今シーズンは1200房、約600kgの収穫を見込んでいます。
9月14日が初めての収穫となりました。

渡邊さん:
ようやく収穫することができた嬉しさ半分反省点もあるので、お世話になった方にお配りして感想をお聞かせいただければ。
今や沖縄を除き、全国で栽培されているシャインマスカット。
ここ富士吉田市でどのように栽培しているのでしょうか。

渡邊さん:
当園の場合はポット栽培といって、150Lのポットの中だけで1本1本育てている。水はけの良い土を入れて与えたい水分を自分でコントロールするやり方。

借りている約1haの土地は元々田んぼだったため、水はけなどが心配されました。
しかしポット栽培なら関係なく適した土で栽培することができます。

渡邊さんは愛媛県で同じ方法でブドウを作っている人にアドバイスを求めながら栽培をしていて、水や肥料は機械で自動で与え、管理しています。

一方この地域ならではの悩みも…

渡邊さん:
凍ってしまうのを恐れていたんですね。
ブドウの木は氷点下10度以下になると枯れるおそれがあると言われています。

渡辺さんによりますと、今年1月には氷点下14度という冷え込みに見舞われる日もあったといいます。

渡邊さん:
ポットを発泡スチロールで覆って稲わらをいただいてそういうものを敷き詰めて箱の中はマイナスにならなかったというので何とか守れたんですけど、この辺一帯果樹やられている方がいないので情報が少ない。発生する虫の時期や病気の時期がどうしても勝沼とずれてくるので、防除のタイミングとかに苦労しています。
さらに出来あがった房はすべてが満足いくものではありません。

渡邊さん:
同じ木からの物ですけど、ばらつきが出てしまっているのでその辺のところを改善できたらいい。

富士吉田市の職員:
こんにちは!いい具合に成長していますね。
この日は富士吉田市の職員が畑を訪れ、生育状況を確認しました。

市は渡邊さんが育てたシャインマスカットの一粒一粒を並べてパック詰めにして、今年からふるさと納税の返礼品として出しています。

富士吉田市ふるさと寄附推進課 眞田純一主任:
今年初めてだが粒も大きくてみずみずしいシャインマスカットができている、富士吉田市の一つの産業として広めていきたい。
昨年度のふるさと納税の寄付金額が全国9位の富士吉田市から早くもお墨付きとなったシャインマスカット。
渡邊さんが目指すのは目の前に広がる富士山を見ながらブドウ狩りが楽しめる観光農園です。


渡邊さん:
富士山の伏流水を使ってブドウを育てるためだけに、井戸を掘りましてその水を与えて育てていますので、他にはない味わいが出てくれればいいと願っている。山梨県に行ってブドウ狩りをするならば富士五湖地域でしたほうがいいよというようなブドウを作りたい。














