熊本の「公務員ランナー」とも呼ばれ、第1回、第2回熊本城マラソンで優勝した地下翔太(じげ しょうた)さんが新たな道を走り出しています。

地下翔太さん。35歳。今年、3月。
11年間勤めた球磨村役場を退職しました。

球磨村出身の地下さんは、多良木高校から上武大学に進み、4年時には箱根駅伝10区を出走しました。

卒業後、球磨村役場に就職。
「熊本城マラソン」では第1回、第2回大会で連覇を果たし熊本の「公務員ランナー」として名を馳せました。

順調に歩んでいるように見えた公務員とランナーの生活。

2020年7月豪雨 そして祖父の死

しかし、2020年7月。豪雨が村を襲い、地下さんも祖父・末行(すえゆき)さんを亡くしました。

この豪雨災害が地下さんの人生を変えることになります。

無残な姿と化した故郷を自分の手で復興させたいと考えたのです。

地下さん「自分がやっぱりプレーヤーでありたい。公務なので平等にやっていかないといけないところは自分の中ではやりにくいという言い方は変ですが、もう少し踏み込んだ所でやりたいなと」

踏み込んだ場所

それは村民の憩いの場でもあった地元温泉施設の再建でした。
豪雨と新型コロナで苦境にたたされていた「一勝地温泉かわせみ」の運営。

指定管理者に選ばれた「株式会社トラックセッション」の村上勝紀代表に誘われました。

トラックセッションは、スポーツ施設の運営、スポーツイベントの企画運営など「地域おこし」に取り組んでいて、村上代表は地下さんの高校時代の先輩でもあります。

これまでは公務員として村全体の支援に取り組んできましたが、これからはひとつの場所に自分の力を注ぎ込み、村の変化を見届けることになります。

ただ、この転職は勇気が要るものでした。