鳥取県米子市の住宅地で、突如、大きな爆発音が響き渡りました。
9日米子市で稼働するバイオマス発電所で爆発がおき、火の手が上がりました。
周辺住民らが口にする、不安。この施設での火災は、じつにこれで3回目。
何が起きているのか?専門家は?
これは、爆発直後の映像。
たまたま自宅2階のベランダにいた近所の住民が撮影したものです。
激しい勢いでモクモクと立ち上る煙が、爆発の大きさを物語っています。
撮影した付近の住民
「爆弾が落ちたんじゃないかというぐらい衝撃と地鳴りがして、何が起こったんだろうという感じがした」
BSS山陰放送が米子空港に設置している情報カメラは、爆発の瞬間をとらえていました。
爆発と同時に真っ赤な炎が上がり、その後、煙が立ち上っているのが
分かります。
おととい午前9時20分ごろ、米子市大篠津町にある米子バイオマス発電所で爆発が起き、火災が発生。
鉄骨製の燃料受入れ建屋の壁が吹き飛ぶなどしました。
付近の住民によると、爆発の直前にある異変を感じたと言います。
付近の住民
「爆発の前にもうものすごく煙が出ていた。煙が出ていて、あらぁと思っていたら、その後すぐに爆発して、地響きもあった、家も揺れた」
さらに・・・。
付近の住民
「しょっちゅうだもん、これで4回か5回だよ。皆、もう嫌だって言ってる」
「あまりにも、1年も経たないのに4回もでしょう。もうここに住むのが嫌だ」
「近くに住んでるので、もっと大きいことがあったりしたら、怖いな」
住民らが口にする、不安。この施設で火災にならなかったものもあわせ、半年間で通報が4回相次いでいます。
なぜ火災が相次いでいるのでしょうか。
公立鳥取環境大学環境学部 田島正喜 教授
「バイオマス発電の燃料となる木質ペレットですね。それが火災の原因になっていると思います。木質の燃料ですから、自然発火して火災が起こるということは本当はあってはいけないんですけど、昨今バイオマス発電が普及拡大するに従って、色んなところで起こっています」
今年3月には京都府にある舞鶴発電所で木質ペレットなどのバイオマス燃料供給施設で火災が発生。
今年1月には千葉県にある袖ケ浦バイオマス発電所で、木質ペレットの貯蔵サイロで火災が発生し、およそ4か月後に鎮火が確認されるなど、全国のバイオマス発電所で火災が発生しています。
共通点は、米子バイオマス発電所のような木質ペレットを燃料とする発電所で火災が起きているということです。
公立鳥取環境大学環境学部 田島正喜 教授
「ちょっと気になるのは、今回は単なる火災ではなく、建屋の爆発までいったということで、可燃性ガスが発生して、爆発したのではないかと思います。」
何らかの理由で木質ペレットが発酵し、メタンガスや一酸化炭素といった可燃性ガスが発生。それに引火した可能性が考えられるといいます。
公立鳥取環境大学環境学部 田島正喜 教授
「バイオマス発電全般的に危険だということではなく、それぞれバイオマスの使い方い色んな手法がありますので、その手法に見合った安全管理を作り上げていくことが重要かと思います。」
米子市で今年入って相次ぐバイオマス発電所の火災。一刻も早い原因の究明と対策が求められます。