津堅島産ニンジンと豊見城産トマトで作られたスパイシーな香りが漂う、カレースープ。一口食べてみると…

今野リポーター
「じっくり煮込まれているので野菜の甘みがあるのですが、ほんのりスパイシーでとてもおいしいです」

味は美味しいですが、よくあるこのカレースープ。注目するべき点は実は“あるもの”からできていることなんです。

プログレス31 阿嘉宗大さん
「これは青果として販売できなくなった規格外商品。黒ずんだり、いびつな形になってしまったものを加工して使っています」

色や形がきれいな野菜と味は変わらないものの、見た目でだけで流通から弾かれてしまう規格外野菜を活用したスープ。これを手掛けるのは西原町の配送業者、プログレス31。

配送業で付き合いのあった農家から、たくさんの規格外青果が出ている課題に気づき、2年前から加工業に参入しました。

プログレス31 阿嘉宗大さん
「農家さんは作ることに一生懸命で、自分たちで販売できなかったり無駄にしてしまっているところがあって、僕たちがそれをうまく消費者への架け橋というか渡せればということで」

ことし6月には、加工商品をテイクアウトできる店を構え、小売りだけでなく飲食店への卸売りも行っています。

この時期は、スイカやマンゴーパイナップルと夏の顔が勢ぞろい。
規格外青果の良さを知ってもらおうと手頃な価格で販売していて、リピーターが多いそうなんですが、やはり気になるのは『中身』です。

皮が黒くかなり熟した県産バナナを剥いてみると…

今野リポーター
「色味は白いですね。味もすごく糖度がのっていて、甘くておいしいです」

阿嘉さん「こんにちは~宮城さんスイカとりにきました」
農家の男性「スイカ用意しています、ありがとうございます」

この日阿嘉さんはスイカの仕入れのため、大宜味村の農家・宮城陽一さんを訪ねました。

スイカは大きさや甘さを分散させないよう、成長過程で間引きながら育てられ、間引いた未熟なスイカはほとんどが捨てられています。

阿嘉さん「味見してもいいですか?」
宮城さん「これはまだ全然熟んでいないので」
阿嘉さん「でも全然スイカになっていますね」
宮城さん「本来摘果したものは通路に全部捨てられていたものなんですよ、それを色々使っていただいて、農家からしてもだいぶ助かっています」

宮城さんの畑では年間およそ30トンのスイカを収穫しますが、うち5トンほどがロスで、処分にもコストがかかってしまう現状です。

農家 宮城陽一さん
「捨てるとなるとハウスの中から外に出さないといけないので、今は2人体制でやっていますが、もう1人、処分するために人が必要になってきて、その分の人件費だったりが今までかかっていましたね」

規格外品の活路を生み出す取り組みは『つくる責任つかう責任』というSDGsの目標につながっていて、農家の励みにもなっています。

農家 宮城陽一さん
「頑張っていても規格外になってしまうものも出てくるので、農家として畑から生まれてくるものが、すべて商品として食べてもらえるということが一番嬉しいですね」

プログレス31 阿嘉宗大さん
「売れなくなるよりは、加工してそれがお客さんのもとに行く、付加価値がついてお客さんのもとへ行くということで、生産者に喜んでもらっています。実際に手に取って見てもらって、こういう活用法ができるんだよと、うちを通して知ってもらえたらと思います」

ちょっと見た目が悪いだけ、味も栄養も変わらない規格外青果。あなたもひと口、確かめてみませんか?