ほどよく降れば、恵みの雨となりそうですが、新潟県内は6日、大気の状態が非常に不安定となり警報級の大雨となる恐れが出ています。渇水に悩まされてきた農家はこの雨の予想を複雑な気持ちで見ています。

6日の県内は前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定となり、朝から夜のはじめ頃にかけ雷を伴って1時間に40ミリの激しい雨が降る見込みです。上越では5日、夜のはじめ頃にかけ、局地的に1時間に50ミリの非常に激しい雨となる見込みです。

6日夕方までの24時間に降ると予想される雨の量はいずれも多い所で、上越で120ミリ、中・下越、佐渡で100ミリとなっています。

新潟地方気象台は上越では5日夜はじめ頃にかけ、土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水や河川の増水、氾濫に警戒するよう呼び掛けています。
また、6日は県内全域で低い土地の浸水や河川の増水、土砂災害に注意、警戒が必要です。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。
この雨の予想を複雑な気持ちで見ているのが渇水に悩まされてきた農家です。
【稲作農家 中川卓夫さん(82)】
「籾(もみ)があるんだけど、中に実が入っていない。もう水分ないから」

上越市 牧区のコメ農家 中川卓夫さんです。
棚田でコシヒカリなどを育てていますが稲が倒れてしまっています。渇水による水不足で根が弱り、枯れてしまっているそうです。
【稲作農家 中川卓夫さん(82)】
「もうせめて1週間早く降ってくれれば、だいぶ助かった田んぼもあるんですけど、枯れてしまった稲にはもういくら“良い雨”が降っても効果がない」

また、乾ききった田んぼには無数のひび割れが入っていて、田んぼと畦道の間には深い亀裂が確認できます。

60年以上農業に携わる中川さんにとっても、ここまでのひび割れは初めてだということです。かろうじて生き残っている稲にとって6日に予想されている雨がほどよく降れば恵みの雨にはなりますが…
【稲作農家 中川卓夫さん(82)】
「逆にひび割れた田んぼが地滑りが怖いんですよね。一気に大雨が降るとすごくひび割れしていますから、そこに一気に水が入ると、畦畔が崩れてしまう」
新潟地方気象台は6日、ひょうが降るおそれもあるとして農作物等の管理に注意するよう呼び掛けています。
