台湾で日本の漫画文化の普及に貢献した元編集者で、政治弾圧「白色テロ」の受難者としても知られる蔡焜霖さんが亡くなりました。92歳でした。

蔡焜霖さん(92) 今年2月
「(取り調べで)先生の名前や学友の名前を挙げられないでいたんですよね。足の親指に電線結び付けて電撃されたんですよね。あれがとても怖かった」

戦後、台湾の国民党による独裁政権下で行われた政治弾圧「白色テロ」で拷問を受けたときの様子を語る蔡焜霖さん。台湾文化部によりますと、3日、亡くなったということです。92歳でした。

日本統治時代の1930年に台中市で生まれた蔡さんは、戦後の国民党政権下、高校生の頃に参加した読書会が“反政府的な集会”だとされ、逮捕されました。

懲役10年の判決を受け、刑期を終えたあとは、児童雑誌や女性誌を創刊するなど編集者として活動。

日本の漫画を台湾に紹介したことでも知られ、日本と台湾の相互理解を深めたとして、おととし、日本政府から旭日双光章を受賞しました。

晩年は「白色テロ」による迫害について積極的に証言していて、蔡さんの半生を描いた漫画「台湾の少年」は日本でも出版されています。