生きる術を伝えたい 全国に記憶と教訓を伝える場に
伝承館の役割は、被災者の体験を伝えるだけにとどまりません。
自動販売機は、ふだんは有料の自動販売機ですが、災害時には飲み物や食料が無料で提供される「防災自販機」に…。隣りのボックスには、簡易トイレや消毒液が備蓄されています。また、憩いのベンチも非常時は炊き出しに使うことができます。

高岡正文 館長
「こういうことを日頃から訓練しておけば使えるようになる。これも講座に入れています。炊き出し訓練」
開館前ですが、県外も含めてすでに20件を超える研修や視察の申し込みがあったそうです。施設の整備を進めた広島市の担当者もこれまでにない防災拠点として期待を寄せています。
広島市 都市整備調整課 小林靖 復興まちづくり担当課長
「この施設は、被災者自らが運営に携わっていきます。これはなかなか全国にはあんまりないかなと思います。それができるのは、被災者の方々があのつらい思いをほかの誰にもさせたくないという強い思いがあって、できることであって。ここにおいでいただければ必ずその思いが伝わると思います」

広島市豪雨災害伝承館 高岡正文 館長
「ざわつくんだよね、思い出すと。ざわつくってことは、生き残ったってことだから。何をしたいかっていうと、伝える。生き延びる術を伝える。生き延びた後の生活の術を伝える。それをもう一点集中でやりたいね。どんなになるか、わかんないけど。やっぱり誰かにしゃべるっていうか、聞いてもらう、これ大事なんよね、ざわついても」