福島県富岡町の伝統の祭り「麓山の火祭り」が15日夜、4年ぶりに復活しました。久しぶりのふるさとの祭りに、地元の人たちはそれぞれの願いを込めて臨みました。

真っ赤に燃え盛る炎。願うのは「地元の復興」や「五穀豊穣」。最大およそ40キロの松明を担いだ下帯姿の男たちが集まりました。

目指すは、標高220メートルの麓山。男たちは山の頂を目指して一本道を駆け上ります。

「センドー、センドー!」

「千を灯す」という意味の「千灯(せんどう)」というかけ声と共に、「火の祭り」が始まりました。

震災と原発事故で7年間の中断。再開はしたものの、コロナの影響でまた3年間の見送り。そして、今年再び4年ぶりの祭りの復活です。

今年の参加者は、親子の参加者も含め25人。雨が降り、足元が悪い中、暗闇を照らす松明の明かりと共に、男たちは自分の限界に挑みます。最大斜度30度の山道を駆け抜けた男たちは、夏は「田の神」、冬は「山の神」となる神社に戻り、本殿の周囲を33周して祭りは幕を閉じました。

「バンザーイ、バンザーイ!」

富岡町出身で新潟から来た参加者「(この祭りは)思い出というか、なくしてはいけない、続けていきたいもの」

子ども3人と参加した地元の人「4人で登るのはたぶん最後だろうなと思って、私が体力がもたないので。(富岡町に)日々少しでも住んでくれる方が増えればいいと思います」

小学6年生の参加者「やり終えた感じ」

富岡町民の参加者「子どもたちにこういうお祭りがあることを伝えていけるように、またしていきたいと思っています。(火祭りは)地元の夏を代表するお祭りなので、なるべく続けていきたいなと思います」

富岡町で伝統が受け継がれる「麓山の火祭り」。これからも「希望と情熱の明かり」を町民に灯し続けます。