宮城県石巻市の複合エンターテインメント施設「シアターキネマティカ」が、8月5日、オープンから1年を迎えました。あの日の出来事により映画館が消えていった街で、施設をオープンさせた地元出身の男性2人は「文化の力で街に灯りを照らしたい」と奮闘しています。
記念の「映画祭」を開催
宮城県石巻市中心部にある複合エンターテインメント施設「シアターキネマティカ」。8月5日、オープンから一年を記念した「映画祭」が行われました。

石巻劇場芸術協会 阿部拓郎さん:
「いつか映画祭を石巻でやりたいとずっと思っていて」
石巻劇場芸術協会 矢口龍太さん:
「一年後にしちゃったけどね、色んな方のご縁のおかげで」

この施設を運営するのは、石巻劇場芸術協会の矢口龍太さんと阿部拓郎さん。ともに石巻市出身、震災後に地元に戻り、映画や演劇のイベントに携わってきました。
矢口龍太さん:
「映画とか演劇とかをやったり、作ったりプロデュースするのが好きで、この町で好きなことをやって生きられる感じになりたいという思いがあった」

阿部拓郎さん:
「どんな名作映画でもスマートフォンでの小さい画面で見たら面白いという思いはあるかもしれないけど、記憶には残らない。たくさんの人たちが文化に触れられつつもどこか落ち着けるそんな空間にしていきたい」

キネマティカのある石巻市中央1丁目付近は、かつて岡田劇場や文化劇場など5軒の映画館が立ち並び文化の街として賑わいをみせていたと言います。

阿部拓郎さん:
「このエリアって、昔、文化通りって言われていたエリアで、映画館がいっぱいあったりとか文化的なお店や施設がたくさんあった場所なんですね」
しかし、時代の流れと共に映画館や劇場が次々に閉館すると、2011年の出来事でした。