山口県宇部市が主催するガーデニング講座で、講師のスタッフが麻薬・あへんの原料になる「アツミゲシ」の苗を、別の花の苗と間違えて参加者に配布していたことが分かりました。
宇部市によりますと今年3月、市が主催するセラピーガーデンインストラクター養成講座で、講師のスタッフが受講者22人に土産として、ほかの花の苗と一緒にあへんの原料となる「アツミゲシ」の苗を配ったということです。
この苗は、講師のスタッフがアイスランドポピーの苗と間違えて栽培したもので、アツミゲシは観賞目的であっても、栽培は法律で禁止されています。
苗の状態ではアイスランドポピーとアツミゲシの見分けがつきにくく、5月に参加者からの指摘で発覚しました。
市は参加者に電話で謝罪するとともに、苗を抜いて燃えるゴミに出すよう依頼したということです。
講座に参加した女性は、もらった苗を庭に植えたといいます。
女性は市からの連絡を受けて処分しましたが、繁殖力が強いことから、今後広がっていく恐れがあります。
受講者
「来年も再来年もこれから数年先、どこか芽が出てないかとか、気を配りながらもう本当にすごくストレスで」
また、4月には市内にあるときわ公園内の花壇に、アツミゲシが植えられていたことが分かりました。
同じ講師のスタッフがアイスランドポピーと思って植えたもので、アツミゲシは保健所の職員が処分したということです。
宇部市公園緑地課では「(市の講座で)苗の配布は禁止する。市が管理している公園についても、ポピー類の植栽は行わないということで再発防止を図っていきたい」としています。
県によりますと、アツミゲシなどは県内で比較的多く発見されていて、ことし4月から6月に1万1千本あまり駆除されたということです。