全国で問題となっているビッグモーターの保険金不正請求問題について、板金や塗装などを手がける同業者はどう見ているのでしょうか?山口県内の組合は「業界全体の不信感につながりかねない」と不安視しています。

山口県自動車車体整備協同組合 横岡摂樹理事長(TAMARU社長)
「信頼して車を預けられたお客様を裏切るような行為があったとすれば、それは容認できるものではないと思っています」

山口県自動車車体整備協同組合の横岡摂樹理事長は、板金・塗装業界全体への影響も懸念しています。特別調査委員会がまとめた報告書の聞き取り調査に「過剰な修理や実際に施工した以上の請求は、業者の規模にかかわらず常態的に行われてきた」という内容の記載があるからです。

横岡理事長
「われわれもそこは非常に懸念をしておりまして、報告書には業界として常態的にあったような報告も一文にございましたので、そこは強く否定をさせていただきたいと思います」

客が不安や疑いを持つ可能性がある中で誠実な対応が必要とし、組合では、コンプライアンス遵守の通知文を県内の組合員に出したといいます。この問題の背景には、板金・塗装業界を巡る環境にもあると指摘しました。

横岡理事長
「継続的に事業を繁栄させていくために利益をあげなければなりませんが、その保険を使う修理の場合、保険金を算定するための1時間あたりの工賃レートが30年以上変わらず昔のまま。なかなか利益があげにくいという状況が実態としてあります。ですのでやはり、こういう不正をしてでも利益をあげなければならなかったという気持ちは分からないではないですけれども、やはり不正は行ってはいけないことですので」

今後どのような影響が出てくるのか、注視していきたいといいます。