子どもが閉じ込められても…ロードサービスの到着を待つ母親

県内で 0歳と2歳の女の子がエンジンが切れた車の中に約1時間閉じ込められ、熱中症の疑いで病院に運ばれました。

2022年8月30日午前10時ごろ、母親が施設の従業員に助けを求めました。

「子どもが車のカギをロックしてしまった」

母親が車を降りた際、2歳の女の子に車の電子キーを持たせていて、車内の女の子が誤ってカギを閉めたということです。

車に子どもたちが取り残され20分、当時子どもの様子を目撃した人は…

目撃者「ものすごく泣いていて。開けてって感じで窓を一生懸命押していた」

その後、消防が駆け付けましたが、母親は「ロードサービスでカギを開けてもらいたい」と到着を待ち、消防は窓を割れないまま時間が過ぎていきました。

目撃者「顔が高揚して、丸い汗が噴き出して髪の毛がべったり頬にくっつく感じで。今まで見たことないくらい苦しそうだった」

消防はすぐに窓を割ることはできない

閉じ込められて1時間後、到着したロードサービスによってカギが開けられましたが、女の子2人は熱中症の疑いで病院に運ばれました。

最高気温が30度を超える今の時季、エンジンが切れたまま締め切られた車はどのような状態になるのか実験しました。

赤外線カメラを通すと5分もすれば赤くなり…

記者​「実験開始から約1時間が経過しました。手元の温度計は45度を超えています。車の中は蒸されるような暑さです」

JAF(日本自動車連盟)は締め切られた車内の危険性を指摘します。

JAF熊本支部 緒方 将さん「目安とし15分程度でもう危ない。(15分で)40度近くなることもあるので、体温調整のききにくい子どもや高齢者は、短い時間でも命にかかわることがある」

救助に当たった消防は、母親と協議してロードサービスを待ち「これ以上容体が急変したら割る」と伝えたということです。

--消防の判断ではすぐに窓は割れないのでしょうか?

熊本市消防局によりますと「原則、所有者の承諾がないと壊すことができない」とのことです。

一方、呼びかけに反応がないなど緊急性が高いと判断した場合、承諾なしで割ることもあります。

ただ、明確な基準がないため判断は難しいということです。

電子キーが原因とみられる車内閉じ込め事故は多いことから、JAFでは「カギは自分で肌身離さず持つ」「子どもがおもちゃとしてカギを欲しがっても与えない」と呼びかけています。