10月のMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)に向け、東京五輪マラソン6位の大迫傑(32、Nike)が10000mを一日で2本走った。ホクレンDistance Challenge2023網走大会が7月8日、北海道網走市営陸上競技場で行われた。大迫は17時35分スタートの男子10000mBレース、19時30分スタートの10000mAレースの2本を走った。Bレースが28分14秒69で4位(日本人2位)、Aレースが28分35秒36で17位だった。大迫はどんな狙いで2本走り、網走の結果をどう自己評価をしたのだろうか。

10000mは400mのトラックを25周するが、Bレースの大迫は19周を67秒台で走った。今年のホクレンDistance Challengeは電子ペースメーカーのWaveLightが導入され、Bレースは赤のライトが28分10秒0(1周67秒6)、白のライトが28分20秒0(68秒0)に設定されていた。一定ペースで走りやすかったのは確かだが、ここまで安定したペースを刻むことは、他の選手には真似できない。

しかしAレースは、一番遅い白ライトも28分10秒0の設定だったので、電子ペーサーに頼ることはできない。その分、「マラソントレーニングとして、きつくなってからいかに粘れるか、みたいなところを意識して走った」という。

1日に2本の10000m出場は、東京五輪前にも行っていた。21年5月28日の米国ポートランドの大会で、1本目は27分56秒44、2本目は29分04秒28で走った。

「オリンピック前にやった時は1本目の組の方が速くて、2本目が遅くて29分ぐらいの組でした。今日は2本目の組の方が速い設定で、ちょっと難しくはあったんですけど、2本のアベレージは良かった。良い練習ができたかなと思います」

練習拠点の米国で適当な大会が見つからなかったため、陸連にお願いをして、網走大会で2本走ることになったという。

「そのおかげで2本、バスっといい感じでまとめられました。2本目って、28分35秒ぐらいですか?(記者から35秒と聞き)35秒、十分ですね、はい」

10月のMGCに向けて、これからマラソン練習が本格化する。網走で幸先良いスタートを切った。