土砂崩れで住民が孤立状態になった山口県防府市向島の小田地区。県道の通行止めは11日夕方解除され、孤立状態は解消されました。住民からは支援に感謝する声があがる一方で、今後の不安から、整備を求める声も聞かれました。

10日の土砂崩れで、防府市の向島では島内の小田地区と市街地とをつなぐ県道が通れなくなり、11日も朝から木や土砂の撤去作業が進められました。11日昼ごろ上空から撮影した映像をみると、斜面の木が流されて茶色い山肌が露わになっています。路面を覆っていた土砂はそのほとんどが取り除かれ、撤去作業が進んだことが分かります。

チャーターした船で孤立していた小田地区に入り、住民に話を聞くことができました。ある住民は、船で運び込まれる物資を各家庭に配ったり、状況を伝えたりしながら孤立状態だったこの2日間を過ごしたということです。

住民
「きょうは保健師さんと一緒に午前中、独居の方とか病気を持ってらっしゃる方を一緒にまわっていただいた。まわるとみなさん安心されるから、そういう意味では恵まれた環境かな、この今の状況がね」
別の住民
「雨が降っている最中に地元の消防団さんも含めて、みなさん協力していただいて、十分助かってます。よかったです」

大雨のときの対応や支援態勢に感謝する声が聞かれました。その一方で、今後には不安も漏れていました。

住民
「命の道ってわたしたちは思ってるけど、1本しかないんですよ。だんだん木も竹も大きくなって、怖いことはたくさんあります。なんとか今から先、対策をしていただけたらうれしいです」

今後同じ災害が起きないよう、整備を望む声も聞かれました。県は、11日午後5時ごろ、通行止めを解除しました。