「息子はなぜ事件を起こしたのか」。自衛官候補生の父親がJNNのカメラの前で、初めて苦しい胸の内を語りました。

自衛官候補生の父親
「(被害者に)大変申し訳ないと思う。申し訳ないと思うし、亡くなった方も何で殺されなければならなかったのか真相が知りたいと思う」

候補生(18)の父親は、静かに胸の内を語り始めました。

陸上自衛隊の日野基本射撃場で起きた凄惨な事件。その容疑者として報じられる“候補生の男”が自分の息子だと、いまだに信じられないといいます。

自衛官候補生の父親
「泣く子だし笑う子だし怒る子だし、普通の子と何も変わらない。体のサイズなんて、自衛隊の中でも小さかった」

中学生の頃から志していた自衛隊。この春、夢を叶えたばかりでした。

自衛官候補生の父親
「『海外派遣があるかもしれないから、何も喋れないと恥ずかしい』と言って、あんまり英語は得意ではなかったから、一生懸命勉強していた」

父親は事件のおよそ1か月前、所属する守山駐屯地の近くで息子に会いました。変わった様子はなく、隊の雰囲気については次のように話していました。

自衛官候補生の父親
「『みんないい人だよ』とは言ってるけど、それしか言わないもので。水陸機動団とか空挺に興味があった」

陸上自衛隊の精鋭が集う部隊に入りたい。そう話す息子に「がんばれ」と声をかけました。しかし…

自衛官候補生の父親
『がんばれよ』と言ったのが、かえってあだになったかもしれない。おそらく何かのきっかけで、(気持ちが)プツンと切れたのだと思う。切れる前に『しんどかったら辞めていいぞ』と声をかければ、こんなことにならなかったかもしれない」

争い事を嫌い、温厚だった息子がなぜ?今もその答えが見つけられずにいます。

自衛官候補生の父親
「頭おかしいんじゃないかって普通の人から考えればそうだろうね。だけど、我々にしてみれば、『そんな子ではないよ』としか言いようがない。3か月のうちに何があって、何があの子を変えてしまったんだというのが一番知りたい」

悔やむ思いの一方で、一日も早く息子の口から真実を聞きたい。そう望んでいます。