(柳沢彩美キャスター)
1年4ヶ月にわたって戦時下にあるウクライナ。これまでに9000人以上の一般市民が亡くなっています。

そんな中、ロシア時間の今月23日にロシアの民間軍事会社「ワグネル」が武装反乱を起こし、首都モスクワへの進軍をするとしていたんですが、中止をして部隊を撤収させました。
影の軍隊とも言われる「ワグネル」とは、一体どういった会社なんでしょうか?

2014年に創設された民間軍事会社です。ウクライナ侵攻でワグネルが投入している5万人のうち、4万人が受刑者だということです。
代表を務めるのがプリゴジン氏で、イギリスのメディアによりますと、10代の頃強盗などの罪で10年間服役をしていたということです。

出所後にレストランを経営し、その際プーチン大統領が来店をして親密な仲になったということです。プーチン大統領の料理人と呼ばれています。
ロシアには37の民間軍事会社があり、このうち25社がウクライナで活動をしていると言われています。
(夏目みな美キャスター)
プリゴジン氏は、政権転覆が目的ではなかったというメッセージを公開していますが、ロシアの政局はますます波乱含みになっていますね。

(大石邦彦アンカーマン)
そうですね。ロシアの分裂騒動がこれで1件落着するのか、火種が残って次の事態に発展するのかまだ先が読めませんけれども、戦争が始まっておよそ1年4ヶ月になりますが、今回取材したウクライナの選手の方々は、実はウクライナ侵攻の前兆を肌で感じていたということなんです。
(※練習のため来日中のウクライナのレスリング代表チームを、大石アンカーマンが取材)
何かと言いますと、去年(2022年)の2月16日のことです。侵攻の8日前のウクライナで、ウクライナとドイツの選手たちで合同練習をしていたそうなんです。
ただそのときに、突然ドイツチームが本国からの連絡を受けて、予定を切り上げて帰国してしまったそうなんです。何かあるなとは感じたそうです。
そしてほどなくして、今度はウクライナ政府が各家庭に地下室の整備をするように指示したそうです。ウクライナの多くの家庭には地下室があるそうなんですけど、そこを整備しておいてくださいよという指示があったそうです。
これは何かあるなと思っていたと。しかしながら本当にロシアがウクライナを攻めてきて戦争するとは思わなかったそうです。

合宿中に聞いた3人は「戦争?何それ。今21世紀だよ」というふうに答えたということでしたが、「まさか本当に?」というところだったんですね。
いまウクライナの選手たちは、どのような思いでいるんでしょう。
オクサナ・リヴァチ選手に伺ったんですけれども「戦争というのはとにかく不自由そのものだと。改めて自由というのはかけがえのないもので、取り戻さなければいけないものだというふうに感じた」と話していました。

そして「戦争というのは、自分の命と家族の命が危うくなってしまう。その命すら保障がなくなってしまうものなんだということも感じた」というふうに言ってました。
今でもミサイル警報は1日に5時間から7時間、鳴りっぱなしのときもあるそうです。
リアルな戦争体験を聞いて、決して他人事ではないなということと同時に、日本でもおよそ80年前に同じようなことがあったんだということを忘れてはいけません。