現在、65歳以上の高齢者のおよそ5人に1人が認知症と言われています。
こうしたなか、全国で増えているのが認知症の行方不明者です。宮崎県内での自治体の対策を取材しました。
警察庁のまとめによりますと、去年1年間に全国の警察に届け出のあった認知症の行方不明者はおよそ1万8700人。
統計を取り始めた2012年以降、この10年間でほぼ倍増しています。
県内でも、認知症やその疑いのある行方不明者の受理件数は増加傾向にあり、去年は65件受理しました。
今後も増加が見込まれる認知症の行方不明者。
宮崎市が導入している対策がこちらの「見守りシール」の配布です。
(廣末圭治記者)
「この『見守りシール』を認知症の方に貼っておくことで、発見したとき、すぐに家族に連絡を取ることができるようになっています」
見守りシールにはQRコードが付いていて、衣服や持ち物にシールを貼った認知症の高齢者を発見した人が、スマートフォンでQRコードを読み取り、家族に発見場所などを伝えることができます。
市では、2019年から見守りシールを配布していますが、利用登録はまだ52件にとどまっていて、担当者は市民の利用を促したいとしています。
(宮崎市地域包括ケア推進課 甲斐雄二課長)
「初回の交付ですと、50枚を全額助成で利用者負担なしで交付している。必要と感じられたご家族がいらっしゃれば、ぜひご相談をいただきたい」
市はこのほか、「認知症サポーター」の市民養成講座も開いています。
(宮崎市地域包括ケア推進課 甲斐雄二課長)
「もし認知症の方が困っている場面を見かけたら、どういうふうに声をかけたらいいのかというところを周知・啓発に努めていきたいと考えている」
認知症について理解を深め、地域で支えていく環境づくりが求められています。
県警察本部では、認知症の行方不明者については、ためらわず早めに届け出てほしいと呼びかけています。
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