命の危機から患者を救うため県内全域を飛び回る救命救急の最前線、ドクターヘリ。導入から12年、一刻を争う命の最前線に密着しました。

救命救急の切り札・ドクターヘリは時速250キロで飛行し、熊本市内から最も遠い天草市牛深町にも約30分で到着できます。
フライトナースリーダー 吉中香澄さん「救急車だと山道を行って1時間かかる所には、はるかにヘリで行った方が早いので、医療行為を早く行うことで助かる部位がある、助かる命がある」

ヘリで活動するのは、病院の厳しい審査をパスしたフライトドクターとフライトナース。それに加え、操縦士と整備士の4人で1チームです。
ドクターはヘリ指令室で、ナースは救命救急センターで出動に備えます。

「ドクターヘリ出動、天草消防脳疾患疑いです」
天草市で70代の男性が脳卒中の疑い。ドクターとナースは、ヘリポートへと急ぎます。

ドクターとナースが合流。機内では患者の情報を整理し、あらゆる事態を想定します。
出動から10分、先に到着した救急隊から男性は軽症との報告が。大事には至りませんでした。しかし、一刻を争うケースも少なくなく、常に「万が一」の想定が求められます。

フライトドクター 原富由香さん「吐き気があると聞こえていたので、本当に脳卒中だった時は時間との戦いになる」
フライトナース 澤邉英孝さん「20分かかる現場だったので、(軽症で)少し安心しました」

フライトナースの澤邉英孝さん。現場に飛び立つ先輩の姿を見て、3年前ドクターヘリのクルーに志願しました。
澤邉さん「いち早く患者さんのもとで治療できる、そういうスタッフになりたい、看護師になりたいと思った」

現在、フライトナースは8人、フライトドクターは6人。選ばれた救命のエキスパートです。
フライトを担当しない日は、クルーたちも病院内の仕事をこなします。

病院の日常風景…しかし、この日も出動要請が。
『ドクターヘリ出動、山中で80代の男性が斜面から滑落』













