現在日本では、林業の担い手不足が深刻な問題となっています。過酷な労働イメ―ジや、安値な外国産木材に押されて国内林業が衰退したことで、荒れた山が増えているのです。

そんな中、大学で林業を学んだ「林業女子」が、岐阜県の山中で活躍しています。林業に携わる日常を取材しました。

チェーンソーもお手の物!皆伐に携わる毎日を過ごす新卒2年目

岐阜県恵那市にある「安藤林業」。従業員10人の中に、若い女性の姿がありました。この会社で働く桑原佐季さん(24)は、恵那市の山で毎日働く林業女子です。成長が悪く枯れかかった木を切り倒し、苗木を植え、下草を刈って、木が大きく成長できるよう山の手入れに携わっています。

朝礼を終えると、滑りにくい林業用の安全靴を履き、頭にタオルとヘルメットをかぶり山へ。
この山で桑原さんが手掛けているのは「皆伐」です。皆伐とは、山を若返らせるために成長の悪い全ての木を切り倒し、新たに植樹する作業。山に入り、周囲を見渡した桑原さんは、1本の木を見つけました。

(桑原佐季さん)
「このヒノキにします。この木は細長く育っている状態ですね」

まず伐採するのは、樹齢約80年のヒノキ。高さ約30m、重量約1tのヒノキは、根が十分に張っておらず、倒木の可能性があるといいます。

周囲の安全を確認し、倒す方向の木の幹を三角に切り出します。その後、細心の注意を払って、反対側から水平にチェーンソーの刃を入れると、しばらくしてヒノキを狙った方向へ倒すことができました。