長崎県の佐世保港には、22日、飛鳥IIが入港する予定になっているほか、今月25日にはコスタ・セレーナも入る予定ですが、いずれも接岸するのは市中心部の『三浦岸壁』です。

市南部の『浦頭地区』には、3年前に県内最大となる“新たなターミナル”が完成しましたが、コロナ禍もあり これまで一度も使われたことがありません。
この新ターミナルは、あと半年以上、今年いっぱいは使われる予定がないことが分かりました。

佐世保港で国際クルーズ船を係留できる岸壁として、現在の三浦地区とは別に整備されたのが浦頭地区です。

新ターミナルビルの工事が始まったのは4年前。
世界最大のクルーズ会社・カーニバル社が主体となって建設しました。
しかし新型コロナの影響によりクルーズ客船の運航が世界規模でストップ。
供用開始は延期されてきました。

こうした中、今月25日に浦頭ターミナルを建設したカーニバル社の傘下の客船『コスタ・セレーナ』が佐世保に入港することになり、これでターミナルの供用が開始されるかと期待されましたが、関係者によりますと「少なくとも今年いっぱいはターミナルは使われない」ということです。

この理由については、クルーズ船の入港回数が今はまだ少ないため「施設をオープンしても採算が取れない」と判断していて、コロナ前のように「中国からのクルーズが本格的に再開しなければ供用開始は難しい」としています。

およそ18億円をかけて整備された県内最大の『浦頭新ターミナル』
完成から3年を経ても一隻の船も接岸しない異例の事態は いつまで続くことになるのでしょうか。