段ボール・包装紙などの製造を行う京都市の会社「森紙業」の子会社で鳥取県琴浦町にある「鳥取森紙業」鳥取事業所の元男性従業員が、会社の資金総額約8億円を横領していたことが分かりました。
元従業員は6月9日付けで懲戒解雇され、業務上横領の疑いで刑事告訴されています。
森紙業のグループ会社・王子ホールディングス(東京都中央区)によりますと、2023年3月期決算の過程で鳥取森紙業の会計伝票に不審な内容のものが含まれていることが分かり、会計データなどを精査した結果、経理を担当していた元従業員による私的流用が発覚したということです。
元従業員は2014年ごろから2023年にかけて、現金を金庫から少額ずつ不正に持ち出したり、口座から預金を引き出したりして、総額約8億円を着服。つじつまを合わせるために、会計システムを操作・改ざんするなどしていたということです。
元従業員は横領の事実を認めているということで、鳥取森紙業は元従業員を6月9日付けで懲戒解雇処分とするとともに、業務上横領の疑いで鳥取県警に刑事告訴しました。
王子ホールディングスによると、原因は「長年にわたって当該元従業員が経理を担当していたうえに、当該元従業員に対する牽制機能が十分に働いていなかったことにある」としていて、今後グループ全体で再発防止を徹底し、コンプライアンスの強化に努めていくとしています。