皆さんは、「アリが蜜をつかんでいる様子」をご覧になったことがあるでしょうか?

アゴを器用に使って、蜜を運ぶアリたち。今回、この行動に関する「世界初」となる発見が、岡山大学とスイスの大学による国際共同研究で見つかりました。実は、このような生態を持つ一部のアリは、液体の「ある特徴」に合わせて行動を使い分けているというんです。

「トゲオオハリアリ」は、「液体の餌」をどうやって巣に運ぶのか?

液体を顎でつかみ、大事そうに抱えています。

主に沖縄に生息する「トゲオオハリアリ」は、液体の餌を巣に持ち帰るとき「アゴでつかんで運ぶ」ことが知られていて、2019年には岡山大学農学部の藤岡助教が、「飲み込んで体に蓄えて運ぶこともできること」を発見しています。

今回、藤岡助教は、「アリがどのような場合に液体を『つかみ』『飲み込む』のか」、その使い分けに興味を持ち、ある特徴に気付いたといいます。

(岡山大学農学部 藤岡春菜助教)
「『糖度が高いドロドロした液体』を、昆虫が飲むのは時間がかかる。飲むのが大変になっているときは『つかんで運ぶ』という切り替えをしている」