去年1年間に全国で発生した山岳遭難はおよそ3000件で、統計が残る1961年以降で過去最多となったことが警察庁のまとめでわかりました。

警察庁のまとめによりますと、去年1年間の全国の山岳遭難は前の年より380件多い3015件で、遭難者も431人増えて3506人でした。いずれも、統計が残る1961年以降で最多となりました。

遭難者のうち死者・行方不明者は327人で、道に迷ったケースが全体の36.5%と最も多くなっています。

例年と比べて、登山目的の遭難者が増加していて、特に観光地として有名な東京郊外の高尾山や秩父山系での遭難が大きく増えています。増加の背景として、警察庁は「新型コロナの影響で閉鎖されていた山小屋などが再開したことなどが影響しているとみられる」と分析しています。

また、観光地として有名な比較的低い山での遭難が増えていることについて「十分な準備をせずに山に入っているケースがあり、体力的に無理のない登山計画をしっかり作り、遭難防止に努めてほしい」と呼びかけています。

都道府県別では発生件数、遭難者ともに長野県が最も多く、284件・310人で、次いで東京が205件・220人、北海道が192件・219人となっています。

主な山岳別では、富士山63人穂高連峰61人南アルプスの北岳13人秩父山系194人高尾山108人などとなっています。