去年、ふるさと納税がなければ東京都に納められていたはずの都民税は571億円。

この現状を受けてふるさと納税に対して前向きではなかった東京都が、本格参入し始めています。どんな返礼品が人気なのか?深掘りします。

都民税減収571億円 東京も「ふるさと納税」本格参入

南波雅俊キャスター:
東京都主税局資料によりますと2022年度のふるさと納税による都民税の減収は571億円となりました。

東京都の担当者は「返礼品競争が続いている。国への制度見直しを求める」と、近年ずっと言い続けていますが、この競争の流れはなかなか収まりません。そんな中、各自治体がこの競争に参入していこうという流れが起きています。

【世田谷区返礼品競争に本格参入】
これまで3万円以上の寄付でTシャツなど一律5000円相当の返礼品を2022年11月から「ふるさと納税特設サイト」を開設し、返礼品約100点追加

【世田谷区の返礼品】
『寄付金額3万7000円~』
老舗指輪工房「MITUBACI」職人と一緒にシルバーリング製作体験
『寄付金額2万5000円~』
人気洋菓子店「パティスリーアサコ イワヤナギ」季節のパフェ優先予約チケット
『寄付金額3000円~』
世田谷区の地域通貨「せたがやPay」3000円の寄付で900ポイント(900円分)付与

これにより世田谷区ふるさと納税寄付額は2021年度 1億5000万円→2022年度 2億8000万円と倍近くにまで増えました。

世田谷区担当者わずか5か月の本格参入で倍増。その効果に驚いています」と話しています。

【新宿区返礼品の準備中】
・1日区長体験
・地場産業の印刷、染色を生かしたもの
新宿区担当者「コロナ禍で落ち込んだ街に活気を戻したい。2023年10月1日から開始予定

日比麻音子キャスター:
返礼品というと食べ物をイメージしますが、何でも魅力の発信源になりますね。

オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈代表:
私は今回ふるさと納税で「レストランを予約できる」というものを選びました。山梨の食材を使った東京のレストランなのですが山梨県に寄付されるんです。地方の魅力を知りながら近くで楽しめるのもいいなと思いました。

井上貴博キャスター:
もともとは東京に税収が一極集中してしまうのがよくないので振り分けましょうということから「ふるさと納税」が始まりましたが、今度は東京が減収してしまい税収を取り返そうとなった。これで47都道府県がそれぞれ各地方都市含めて競争しましょう、魅力発信しましょうとなって、良いことなのかなと思います。

「食べチョク」秋元里奈代表:
ふるさと納税は毎年20%くらい成長していて、まだまだ伸びている市場なんです。まだ多くの方が(ふるさと納税を)やられていないので、これからまた盛り上がっていくことを考えると東京が参入してくるのは新しいスタートラインに立った感じがします。