傘をさしながら、行列に並ぶ人たち。お目当ては「駿河湾の宝石」とも呼ばれるサクラエビです。記録的な不漁や新型コロナの影響で中止となっていた静岡市由比漁港の「桜えびまつり」が6月11日、5年ぶりに開かれました。
<植田麻瑚記者>
「桜えびまつりの名物、生サクラエビの無料配布を求めて高架下には長い行列ができています」
静岡市清水区で、5年ぶりに開かれた由比桜えびまつり。あいにくの雨となりましたが、静岡県の内外から多くの人が訪れました。
<富士宮市から訪れた人>
「2時間並んだ。また向こうに並んで買う」
近年、深刻な不漁が続いていたサクラエビ。資源保護を目的に、休漁などの自主規制を続けてきました。こうした取り組みが功を奏したのか、6月9日に終了した2023年の春漁は、由比漁港と大井川港合わせて2022年の1.5倍以上となる約309トンを水揚げしました。
新型コロナの5類移行に伴い、イベントの制限が解除され、さらに資源回復の兆しも見えてきたことから「桜えびまつり」は5年ぶりの開催を迎えたのです。
<静岡県桜えび漁業組合 實石正則組合長>
「非常に苦しい4年間を過ごしてきた。きょうこういう日を迎えられてみなさんに食べていただけるということは本当にうれしいです」
販売開始前からできた行列。由比港漁協女性部お手製のサクラエビのかき揚げを求めるもので、女性部は300kg用意した新鮮なサクラエビを揚げ続けました。
<函南町から来た人>
「すごく久しぶりでおいしかったです」
<神奈川県から来た人>
「早起きして来た甲斐がありました」
「ずっと不漁が続いていたので、いつもSNSをチェックして今年は豊漁と聞いていたので、すごく楽しみだったので、来られてよかったです」
出店者も久しぶりの活気あふれる祭りに喜びを隠しません。
<ごはん屋さくら店主 伊藤忠雅さん>
「やっとこの時が来たなという感じ。待っていました。(お客さんは)本当に楽しみにしてくれていたんだなというのがやっていて分かる」
<静岡県桜えび漁業組合 實石正則組合長>
「資源の回復は確信から確証に変わりましたし、秋にはサイズのいい秋エビが取れるんじゃないかと思っています。期待しています」
雨の中、これだけの人が訪れるということは、サクラエビ漁に携わる人などにも励みになったようです。
2023年の春漁ですが、不漁が深刻化し休漁となった2018年の秋漁以降を見ると徐々に回復傾向にあるのが分かります。ただ、2017年より前を見ると、まだ完全に復活とは言えない状況で、漁協は今後も必要な場合は自主規制を設けていきたいとしています。漁業組合は10月下旬ごろから始まる秋漁に“完全復活”を期待しています。
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