横浜F・マリノスはホームで行われたJリーグ第17節(6月10日)で、柏レイソルに4-3で勝利した。主役となったのは、先月24日に右膝前十字靭帯断裂の大ケガから約10か月ぶりに公式戦に復帰した宮市亮(30)。

宮市は1点を追う2-3の後半34分から途中出場。1点ビハインドの中、アディショナルタイムに突入すると、劇的な展開が訪れた。アンデルソン・ロペス(29)のゴールで3-3の同点に追いつくと、試合終了間際に待望の瞬間が待っていた。

ゴール前、MFマルコス・ジュニオール(30)のパスを受けたのは宮市。トラップから右足を振り抜くと、相手DFに当たり角度が変わって、ボールはゴール右隅へと吸い込まれた。自身公式戦339日ぶりのゴールを決め、チームを今季初の4連勝に導いた。

復活を印象付ける決勝ゴールを決めた宮市は、ケガと隣り合わせのサッカー人生だった。

◆自分のプレーができず「早く試合が終わってほしいと思っていた」

選手生命に関わる大ケガを何度も重ねてきた宮市。絶望から這い上がってはまた突き落とされ、繰り返されたケガは心にも影響を及ぼした。

【過去の主なケガ】
2012年 右足首靭帯損傷
2013年 右足首靭帯損傷
2014年 左ハムストリング損傷
2015年 左膝前十字靭帯断裂
2017年 右膝前十字靭帯断裂
2018年 右膝前十字靭帯損傷
2020年 内転筋損傷
2022年 右膝前十字靭帯断裂

宮市は2010年12月にプレミアリーグの名門アーセナルと契約。11年1月にはオランダ1部の強豪フェイエノールトへの期限付き移籍が決まり、2月のフィテッセ戦で、欧州主要リーグでの日本人最年少記録となる、18歳1か月23日で公式戦デビューを果たした。

だが翌年に右足首靱帯を負傷し、無念の長期離脱。ここからケガとの戦いが続いた。2014年オランダ・トゥウェンテ時代に「自分の体じゃないみたいで、自分の考えているプレーが全然できなくて」と明かしていた宮市。

「早く試合が終わってほしいと思っていて、もう逃げたすぎて。それが伝わりすぎて、観客に大ブーイングを受けてしまい、次の日監督に呼ばれて2軍行き。“もう使わない”って言われて」

「ボールが来てほしくないなんてプロになって思ったことなかったのに、そんなことを思ってしまった自分が、恥ずかしくて惨めで、逃げていた。自分が負けだと思っていた」

もがく日々に心もダメージを受けていた宮市は、「ボールが来て欲しくない」と思うほどの苦しみに陥りながら、それでも前を向くことができたのは、ファン、サポーターの存在だと言う。