最近目にする機会が多くなった国の特別天然記念物コウノトリ。そこには、生態の管理や保護活動などの努力があります。
しかしいま、物価高の影響で、この生態管理が困難になるかもしれないと言います。一体なぜなのでしょうか?

6月7日、島根県浜田市金城町の田んぼでBSSのカメラがとらえたのは、1羽のコウノトリ。地元の人によると、前の週あたりから見かけるようになったとのこと。

そして、よく見ると色のついた足環がついています。

コウノトリの保護と増殖活動に取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園に確認すると…。

兵庫県立コウノトリの郷公園 西田 和佳奈さん
「兵庫県豊岡市で生まれたメスの個体で、2021年に生まれた2歳のメスです。エサがとれる良い場所だと思っているのだと思う」

コウノトリの郷公園では、5色の足環をコウノトリにつけ、その色と数の組み合わせにより個体の識別ができるようにしています。それによると、このコウノトリは、兵庫県生まれの2歳のメスと判明しました。

そして、各地で撮影された写真から行動歴も分かります。
今年3月には鳥取県鳥取市と鳥取県倉吉市で確認されていて、エサ場を求めて大移動していると推察されます。

こうした生態管理や保護活動などにより、一度は絶滅したコウノトリもその数を増やし、いまではよく見かけるようになりました。

コウノトリの郷公園によると、生息域は全国に拡大していて、約300羽にまで増えてきているとのこと。

そんな中、コウノトリの郷公園ではいま、ある問題に頭を悩ませています。

兵庫県立コウノトリの郷公園 西田 和佳奈さん
「海外から買っていた、カラーのものは。いま高くなっているじゃないですか輸入ものが」

なんと、物価高騰のあおりを受け、予算的にカラーの足環が買えなくなったとのこと。そこで今年から、数字が書かれた黒い足環に変更したのですが…、ここでも問題が。

兵庫県立コウノトリの郷公園 西田 和佳奈さん
「離れたところだと色だとわかるんですが字までは読めないことがあるので、ちょっと個体を追いかけるのは難しくなるかもしれません」

遠くから確認する際、色の足環であれば確認しやすいですが、文字や数字だと確認しづらいのです。

物価高の影響はこんなところにまで…。

コウノトリの郷公園では今後、黒の足環を続けるか検討しつつ保護活動に取り組んでいくとしています。