開邦高校2年 新垣彩菜さん「女子でもここまでできることを見せるというか、世間の人、みんなの人にも知ってもらえる良い機会だったっと思う」

開邦高校2年新垣彩菜さん。県高校総体で初めて行われた女子ボクシングに出場しました。

新垣彩菜さん「地元でやっているからこそプレッシャーが大きくて、ここで負けたくない負けたくないと思って緊張して…」

開邦高校にはボクシング部がなく、ジムで拳を磨いています。

Q身長は何cmですか?
「身長は145cm。身長が本当に低くて、相手と20cm差とか普通にあったりして不利と言われがちなんですけど、逆に相手の中に入って打つ、中に入って徹底的に攻めるというやり方が身長が低い人にしかできない攻撃」

4つ上の兄の影響で小学4年の時にボクシングを習い始めた新垣さん。

父・真二さん「女子選手が少ないので、男子選手と練習をやると同学年でも力の差があるので、お母さんとスパーリング。お母さんは金色のヘッドギアで、黒が彩菜ですね」
彩菜さん「本当はどこかでボクシングをやめていたかもしれないとよく思うんです。でもそれを親は毎回引き止めてくれたり支えてくれたり、今の自分がいるのは自分だけの努力じゃななくて、みんなのおかげなんだなって。親には感謝しかないです」

ボクシングだけができてもいけないと、中学受験にも挑み、猛勉強の末に県内屈指の新学校の開邦高校に入学。しかし高校にはボクシング部がないため、友人たちが学校で部活動に励む中、新垣さんは1人ジムに。

彩菜さん「自分はマイク・タイソンという選手が好きで、ヘビー級の王者なんですけど。身長が低いという自分の状況にも重ねてみた時に『自分もこんなふうに格好良くなりたい』『自分でもこうなれる』と思わされる選手なので好きです」

兄・基広さん「身長は人には劣るかもしれないですけど、マイク・タイソンをイメージしたミニ・タイソンというくらいのファイターですね」

彩菜さん「今大会は県では圧倒的に勝ちたいというのがまず第一で、見ている人の印象に残る試合にしたい」

迎えた県総体当日。新垣さんは最も軽いピン級でエントリーしましたが、思わぬ出来事が。

戦う予定だった相手がドクターストップにより直前で欠場。これにより、不戦勝という形で新垣さんの九州大会出場が決まりました。その代わり、勝敗がつかないスパーリングという形で総体のリングを経験できることに。

彩菜さん「これまでは同じ女子選手が誰もいないというのが常だったので、初めて沖縄でこんなに緊張して、新たに初心に戻れるというか、そういうよい機会でした」

場内アナウンス「青コーナー、新垣彩菜選手、開邦高校」

試合時間は2分2ラウンド。スパーリングということで、自分よりも2つ上の階級の選手と拳を合わせる新垣さん。ボディからのコンビネーションで相手の懐に入ると、次々に攻撃がヒット。続く第2ラウンドも身長の高い相手に対し、九州大会を見据えた戦い方を展開します。

相手の攻撃を読み、完璧に回避するとパンチをまとめたシーンではダウンを奪い、カウントが始まりました。

勝敗はつかないスパーリングとは言え、総体のリングでユニフォームを身に着けやりきった新垣さん。

彩菜さん「3ラウンドぶっ続けで全力で出していけるやる気を頑張ってこの一ヶ月で身につけてベストコンディションで九州大会に臨みたい」

次なる戦いに向け、今日も虎視眈々と拳を磨きます。