石川県は7日珠洲市の復旧・復興に向けた支援策に重点が置かれた6月補正予算案を発表しました。これまで国の制度で対象となっていなかった半壊の世帯を中心に支援に乗り出します。
馳知事は会見を開き、5月5日珠洲市で震度6強を観測した地震の名称について、県は今後、“令和5年奥能登地震”と呼ぶことを発表。早期の復旧・復興を目指し、被災者に対する応急救助や生活再建のほか、事業再建への後押しなどに向けた6月補正予算案の内容を説明しました。
具体的には、県独自の被災者再建支援制度を創設、国の制度では支給の対象外となっている損害割合が20パーセント台の半壊世帯でも最大で100万円を支給するということです。また半壊の建物を解体する場合は珠洲市が4分の3、県が4分の1の割合で費用を負担し、公費での解体を進める方針です。
馳知事
「住めるかどうかぎりぎりの判断をしなければいけない被災者が多い。現時点では国が定めた基準に県として半壊も含めることができるよう取り組んだ」

このほか、奥能登2市2町についてデジタル技術を活用したデジタルライフラインの整備を進めます。
緊急連絡先だけでなく既往歴や服薬状況など高齢者の情報をデータ化して通常の見守りや急病時、また発災時の安否確認などに役立てる方針です。
今回の地震では訪問先の名簿や地図を作る作業が大変だったという現場の声が多く聞かれ、奥能登では高齢化で人手不足も懸念されていることから、安心して住み続けられる環境づくりに向けてデジタル化での課題解決を図りたいとしています。
県の6月補正予算案は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日から5類に移行したことを受け、感染対策としてすでに計上済みの予算を減額。一般会計の総額はおよそ87億8460万円のマイナスとなり、当初予算との累計額は6083億円余りとなっています。
補正予算案は6月13日に開会する県議会6月定例会に提出されます。