窓を開けることが増えるこれからの時期、特に注意が必要なのが子どもの転落。
ことし3月には、名古屋市で2歳の双子の男の子が死亡した事故も起きています。
窓やベランダからの子どもの転落事故に、どう備えればよいのでしょうか?

5月30日、名古屋市で開かれた「子どもの転落防止対策懇談会」。
ことし3月、名古屋市中区のマンションで2歳の双子の男の子が転落死した事故を受けて開かれました。

子どもが利用する施設の安全対策の状況や過去の転落事故について、市から報告があり、大学教授ら有識者からは「一律の対策ではなく、子ども1人1人の特性や発育状況、年齢に合わせた対策が必要ではないか」といった意見が出ました。
名古屋市は再発防止策を年内にも取りまとめ、転落防止に関する条例の制定も検討するとしています。
窓を開ける機会も増える、これからの季節。
転落事故から子どもを守るには、どうしたらよいのでしょうか?

愛知県大府市の「あいち小児保健医療総合センター」。

家での子どもの事故を防ぐ方法を学べる施設があります。

(あいち小児保健医療総合センター 保健師 土屋恵美さん)
「子どもは頭が重いので、窓からのぞき込むとそのまま頭から転落してしまう可能性は高い」
子どもは、大人が予想できない動きをすることがあると、普段から意識する必要があるといいます。

(あいち小児保健医療総合センター 保健師 土屋恵美さん)
「子どもは足がかりがあると(よじ登って窓を)開けることができてしまう」
窓の近くに家具や物を、極力置かないこと。
子どもはそれを踏み台にして登ってしまいます。

また、窓に補助錠やストッパーを付けるのも有効ですが、注意したいのが…。
(あいち小児保健医療総合センター 保健師 土屋恵美さん)
「下ですと子どもでも使えてしまうので、(子どもの)手の届かない上の所に付けておくことが大切」

暑くなってきて窓を閉め切りたくない場合は、開け幅を10センチ以内にして、しっかりと固定しましょう。

ベランダも要注意です。
2階以上の場合、ベランダの柵の高さは建築基準法で110センチ以上と定められていますが…。
(あいち小児保健医療総合センター 保健師 土屋恵美さん)
「4歳以上だと足がかりがなくても十数秒で登れるという実験もある」

子どもだけでベランダに出ないようにし、やはり踏み台となる物は置かないこと。
室外機などは、柵から60センチ以上距離をとり、柵に手が届かない位置まで離して設置するようにしましょう。

(あいち小児保健医療総合センター 保健師 土屋恵美さん)
「親たちがずっと目を離さないのは限界があると思うので、事故が起こらないような環境を整えることを意識していただきたい」