早産などで生まれた赤ちゃんに、お母さんの代わりにドナーから集めた母乳を提供する「母乳バンク」が愛知県でも始まりました。


愛知・豊明市の藤田医科大学病院。マイナス30℃になるよう管理された冷凍庫の中に入っているのは、ドナーから提供を受けた「母乳」です。


早産で1500グラム未満で生まれた赤ちゃんのため、お母さんの代わりにドナーが母乳を提供する「母乳バンク」。


日本財団などによりますと、早産などで生まれた赤ちゃんは、消化器官が未発達な場合が多く、粉ミルクよりもドナーの母乳の方が、体への負担が少ないということです。


この「母乳バンク」についてお母さんたちの意見は…。

(4児の母親)
「本当に困っている人の助けになるのであれば、ありかなと思う」

(2児の母親)
「地震がいつか来ると言われている地域なので、『母乳バンク』があることは、子育てするお母さんにとっては、万が一の時に安心できる」


一方で、こんな意見も…。

(1児の母親)
「母乳バンクがあるっていうのを、知らないまま終わってしまうのはもったいないと思う。たくさんのお母さんに知ってもらいたい」

(2児の母親)
「安全性やメリット、デメリットとかもを知った上でないと、自分の子どもにあげるのも、人に提供するのもあんまり良くない」


これまで東京で2か所の母乳バンクがありましたが、3か所目として新たに、愛知県豊明市の藤田医科大学病院での運営が始まり、5日に内覧会が行われました。


(藤田医科大学小児科 宮田昌史教授)
「これがドナーミルクです」

藤田医科大学ではおよそ50リットルのドナーミルクが保存できる施設を整備。名古屋市内を中心に東海地方各地の病院に運びます。

(藤田医科大学小児科 宮田昌史教授)
「愛知県に(母乳バンクが)できたことで、母乳バンクが身近になって、一般の方にも知っていただくことで、ドナー登録をしていただけるお母さんが増えたらいいなと」


また、今後の課題については。

(藤田医科大学小児科 宮田昌史教授)
「ドナーの活動できる期間も限られているので、愛知県とも相談して、名前だけでも知ってもらう機会があると、いろいろ人の認知が増えてくると思う」