今年3月、宮崎市内の保育施設でうつぶせで寝ていた0歳児が死亡した事案を受け、宮崎県内の認定こども園が独自の対策に乗り出しました。

うつぶせ寝による死亡事故を防ぐために導入されたのがAIです。
宮崎市内の認定こども園の取り組みを取材しました。

宮崎市のアリスこどもの家幼稚園。

ここで5日から導入されたのが、乳幼児の昼寝をAIが見守るシステムです。

(垣内沙耶記者)
「天井に設置してあるカメラが子どもたちの顔の向きを検知し、うつぶせ寝の場合にアラートでお知らせします」

カメラは、1台につき10人まで顔の向きを検知し、カメラと連動したアプリで一人ひとりのデータを5分ごとに記録します。

(0~1歳児クラスの主担任 木上香さん)
「5分ごとに上を見てるとか、右見てる、左を見てるとかっていうような矢印が出てきます」

もし、赤ちゃんがうつぶせ状態になり、顔が検知できなくなると、うつぶせ状態になってから、30秒から1分程度のうちに警報が鳴る仕組みです。

アリスこどもの家幼稚園では、今年3月、宮崎市内の別の保育施設で、うつぶせ状態で寝ていた0歳児が死亡したことを受けて、このシステムの導入を決めました。

(アリスこどもの家幼稚園 黒木倫子副園長)
「うつ伏せ寝による悲惨な事故を防ぐために、保育士とAIカメラの二重のチェックをして、より安心安全な保育をするために導入いたしました。そして、また保育士の業務改善にもつながると思っております。」

システムが導入された部屋では、ふだん、0歳児と1歳児あわせて8人がおよそ2時間昼寝をしています。

この間、保育士は、連絡帳の記入などの業務も同時にこなしながら、子どもたちの顔色や、呼吸、寝ている姿勢などを5分おきにチェックして、手書きで記録しています。

(0~1歳児クラスの主担任 木上香さん)
「子供のそばにはいても、子供から目を離してる時間っていうのがあるので、その間ずっとAIが子供たちを見守ってくれてるっていう、メリットがあると思います。あとチェックもずっと手書きでやってたので、そこも保育士の仕事としては助かるかなというのがあります」

園は今回、カメラを2台導入。
園児が増加した際にも対応できるよう体制を整え、AIと、人間の目視によるダブルチェックで事故を防ぐことにしています。

(アリスこどもの家幼稚園 黒木倫子副園長)
「朝預けたお子さんが夕方元気な姿で(保護者の)お手元に戻すために、保育士は本当全力を挙げて1日を見守ってるわけですので、けがとか事故がもう1件も起こらないということを保護者に約束するためにも、努力を続けていきたいと思っております」

メーカーの代理店によりますと、このAIを活用したシステムを県内で導入した保育施設は今回が初めてだということです。

宮崎市内の保育施設でうつぶせで寝ていた0歳児が死亡した事案では、現在も死因はわかっていません。

うつぶせ寝についてですが、乳児が、眠っている間に突然死亡してしまう病気「乳児突然死症候群」の発症があお向けの場合と比べてリスクが3倍程度高まるとされています。