タイの名物となっている“ゾウ乗り体験”。日本人観光客にも人気ですが、近年は「虐待行為だ」と批判する声が高まっていて、“新たなゾウ観光”を模索する動きが広がっています。
タイ北部チェンマイにあるゾウの保護施設。
村橋佑一郎記者「レスキューされたゾウが保護施設にきました」
観光地パタヤから運ばれてきたゾウは70歳。背中がへこんでしまっています。
保護施設の創設者 レックさん
「このゾウは観光客を乗せるゾウで、先週まで働いていました。私たちが助けてあげないと死ぬまで働かせられたでしょう。だから助けたのです」
タイの伝統文化としても知られ、観光客に人気の「ゾウ乗り」。観光用のゾウを飼育するキャンプは、世界全体のおよそ7割がタイにあるとされています。
しかし、近年は動物の福祉の観点から「虐待行為だ」と問題視されてきているのです。
これはWAP=世界動物保護協会が3年前に公開した映像です。しばられたり、暴力的な調教を受けたりする様子に批判の声が高まりました。WAPは「象使いたちが収入を得るためにゾウを酷使している」などと指摘しています。
チェンマイの保護施設にはおよそ120頭のゾウがいて、“新たなゾウ観光”のカタチを模索しています。
記者「観光客向けのツアーが行われていますが、自然に近い状態で生活しているゾウを間近でみることができます」
観光客はゾウのありのままの生態を観察。象使いたちはクラフト作品を制作・販売するなどして、収入源の確保につなげています。
また、ゾウのエサとなる食事を作ったり、ゾウ舎を掃除したりする有料のプログラムも人気で、欧米などから毎回40人近くが参加しています。
外国人観光客
「ゾウの本当の生活を見ることができて、とても良いことだと思います」
「象を使ったエンターテインメントは、すべて禁止すべきです」
こうした取り組みは8つのキャンプに広がり、ゾウ乗りや伝統的なショーをやめたところもあるということです。
ただ、タイ国内では反発も根強く、保護活動を進めるレックさんのもとには「伝統的な慣習を守れ」といった意見も寄せられていると言います。
保護施設の創設者 レックさん
「『ゾウを幸せにすると、お客さんも幸せになるビジネスモデルができる』ということを伝え、すべてのキャンプが社会的責任を考えるビジネスに変わってほしいです。日本の人たちにも、ゾウの観光をするときに考えてもらいたいと思っています」
ゾウとの共存を目指すツーリズムへの挑戦は続きます。
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