パリで開かれている国連教育科学文化機関（ユネスコ）の執行委員会は24日、石川県白山市の「白山手取川」を「世界ジオパーク」に認定しました。

世界ジオパークは学術的に貴重な地形や地質を持つ自然公園で、国内の認定は2018年の静岡県の伊豆半島に続いて10例目となりました。

国内の世界ジオパーク

白山手取川は、白山市全域が対象で、標高2702メートルの白山山頂から日本海まで広がる急峻な地形や、およそ2億4000万年前からの変化を確認できる地層が評価されました。

標高2702メートルの白山

2011年に日本ジオパークに認定され、白山市が2020年に世界ジオパークへの認定をユネスコに申請。去年10月の現地審査を経て、ユネスコの専門評議会が去年12月、認定を勧告していました。

桑島化石壁について説明を受けるユネスコの審査員＝去年10月

白山市倉光の白山市民交流センターでは24日夕方、田村敏和市長ら関係者が集まり、認定が決まると万歳三唱で喜びを分かち合いました。

決定を受け万歳する関係者＝白山市倉光の白山市民交流センター、24日午後7時半ごろ

田村市長は、長年ジオパークの認定に取り組み、今年3月に亡くなった山田憲昭前市長に触れ「今、天国で思いっきり万歳してくれたのではないか」と述べました。今後の活用については「世界ジオパークということで、世界に向けて発信を続けなければならない。子どもたちがすくすくと育つためには市の活力が必要。観光など産業の振興をしっかりしていかなければならない」と語りました。

笑顔で報道陣の取材に応じる田村敏和市長＝24日午後7時半ごろ

認定を受け、石川県の馳浩知事は「手取峡谷をはじめとした大自然の恵みと、脈々と受け継がれてきた文化的な人々の営みの調和のすばらしさが評価された。この魅力を国内外にこれまで以上に発信したい」とコメントを発表しました。