3日間の日程を終え、きのう閉幕したG7、先進7か国首脳会議。被爆地・広島で開かれた今回のサミットでは、G7として初めて核軍縮に焦点を当てた「広島ビジョン」を打ち出し、核兵器のない世界の実現に向けてメッセージを発信しました。一方で、宮城県内の被爆者からは「被爆者に寄り添っていない。私たちの思いが伝わらず、悔しい」という声も聞かれました。
木村緋紗子さん(86):
「我々、広島市民、被爆者が願っていることは蚊帳の外。なんのために被爆地・広島でやったのかという怒りがある。くやしい。広島県人であり広島で生まれ育った人間として、情けない。その一言です」

8歳のときに広島県で被爆し父や祖父など家族・親類を亡くし、現在、仙台市太白区に住む木村緋紗子さん(86)は、今回のサミットは核廃絶に向けた具体的な方策が示されたとは言えず、「本当に被爆者に寄り添ったものであったのか」と疑問を投げかけます。
木村緋紗子さん;
「絶対的に足りない。それ(核廃絶)を言わずして、なぜ広島でG7をやっているのかと、全国の被爆者たちはがっかりしている」

今回のサミットで核軍縮に焦点を当てた初めてのG7文書として発表された「広島ビジョン」はロシアによる核威嚇について「危険であり、かつ受け入れられない」と非難している一方で、核兵器は「防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止」するとも言及しています。
木村さんは、核兵器禁止条約を日本が批准するまで活動を続けていくとしています。