地域の活性化を目指し2014年に設立された『辺土名大通り』。全長はおよそ1キロと長く、商店街ならではのアーケードがないのも特徴のひとつ。辺土名の人の暮らしがギュッと詰まった場所です。沖縄最北端にある商店街の知られていない魅力を探ります!

設立から9年と歴史は浅い『辺士名大通り』。ここには泡盛など数百種類を取りそろえる酒店や、食卓には欠かせない野菜などの青果、毎日新鮮な魚や肉が購入できる店が立ち並びます。この辺土名大通りの楽しみ方を、通り会会長の岩渕そよさんに教えてもらうことに!

岩渕そよ会長「辺士名は国頭の一番中心なんですよ。なのでいろんなお店が揃っていて、非常に便利なところなんです」

現在、通り会に加盟するのはおよそ60店舗。中でも創業100年以上、戦前戦後の辺土名の歩みを見てきた菓子店には、ここでしか味わえないスイーツがあるそうで…。

岩渕そよ会長「国頭と言えば”国頭ドーナツ”があるんですが、それがこちら宮里菓子店でいただけます。ではこちら行ってみましょうか!」

国頭村のご当地スイーツ『国頭ドーナツ』。年間およそ1万2千個を売り上げ、週末は即日完売するほどの大人気商品。国頭村の特産品、からぎやパインなど5種類の味を展開。

アレルギーなどがある人も食べられるようにと卵や乳製品は使わず、ひとつひとつ手作業で製造しています。

せっかくなので特別に揚げたてをひと口…

今野リポーター「いただきます!サクサクしているんですけど、もっちりもしていて、ほんのり奥からココナッツミルクの甘い風味もしてとてもおいしいです」

宮里菓子店・宮里芳登店主「生地がツルツルしていないですよね?やんばるの素朴さを出すためにわざと粗挽きにしていて、やんばるの自然を味わってほしい。サーターアンダギーに負けないようなドーナツにしていきたい」

お腹がいっぱいになったところで再び散策!1本中道に入ると、こんな場所も。

岩渕そよ会長「こちらが辺土名の神様を祭っている『ユーガミ』です。村の繁栄や区の五穀豊穣や安全祈願をするために、みんなから親しまれている場所ですね」

通りの中にはいくつか拝所があり地域の行事には欠かせないスポットとなっています。

岩渕そよ会長「区の祭りや豊年祭などそういった行事ごとは必ずこっちに来て、心のより所というかそういった感じのところですね」

食だけでなく伝統や文化まで感じることができる商店街ですが、この場所を歌った曲をみなさんは知っていますか?

♪辺土名商店街「美浜のアメリカンビレッジのようには~、どこにも負けない愛がある」

作詞・作曲したのは国頭村辺土名出身のシンガーソングライター、ヤンバラー宮城さん。生まれ育った故郷への愛を綴っています。

ヤンバラー宮城さん「気づいたらホームシックが歌になっていることが多くて、1番身近な町というか風景が商店街だったので、懐かしいな、みんな元気にしているかなと思いながら作った感じの曲ですね」

現在は東京を中心に全国で音楽活動を行い、村観光大使にも任命されているヤンバラー宮城さん。地元辺土名を離れたからこそ気づいた魅力があると言います。

ヤンバラー宮城さん「海があって数メートル歩いたら山があってという、両サイドに自然がある中に通っている商店街というのが魅力だと思いますね。皆が和気あいあいとしている、そういう芯の部分は変えずに、時代に合わせていろんな人たちがいろんなことをできる自由な商店街になっていったらいいなと思っています」

世界遺産のふもとにある商店街「辺土名大通り」。地元の人たちにとって、どんな存在なのでしょうか?

地元店主「人情のある商店街ですかね。『ゆいまーる』という感じですね、そういう感じがします」
地元店主「人ですかね、一番。1回来てしまえばみなさん喜んでくれるので、ファンになってくれますね。人と人の交流が生まれてよいかなと思います」

岩渕よそさん「地元の人があっての街なので、地元の人に便利も良く楽しめる街でもあってほしいし、また楽しんでいる住民を見て訪れるお客様もいて、みんなで辺土名の街の発展を願える10年後20年後であってほしいです」

国頭村辺土名を訪ねると、人情あふれる本島最北端の商店街とさらなる発展を目指して奮闘する人たちの姿がありました。

【記者MEMO】
この辺土名大通り実は『夜も眠らない町』と言われています。商店街の奥にはスナックが軒を連ね、夜も楽しめて、街を盛り上げようとスナックロゴTシャツも販売されています。いま観光客に沖縄県内の企業ロゴTシャツが大人気だと思うんですが、こちらもデザインがレトロで流行りそうな予感が!

スナックロゴTシャツはVTRで紹介した酒店『丸重商店』とスナックの各店舗で購入することができます。

ここでしか体験できない魅力がたくさんあるので、本島最北端の商店街『辺土名大通り』に足を運んでみるのはいかがでしょうか。