南太平洋の島国、ミクロネシア連邦。選出された新大統領の外交方針が注目されますが、前の大統領は次期政権への書簡で、中国ではなく台湾との関係強化を模索していたことを明かしていました。

赤道のすぐ北に位置する南太平洋のミクロネシア連邦。きのう、新大統領として連邦議会議長だったウェズリー・シミナ氏(61)が選出されました。

実は、ミクロネシアをはじめとする島しょ国に安全保障協定を提案するなど、外交攻勢を強めるのが中国。こうした中で、パニュエロ前大統領は中国批判の急先鋒でしたが、退任が決まった直後、次期政権や州知事らに宛てた書簡をJNNは入手しました。

ミクロネシア パニュエロ前大統領
「中国の大使はミクロネシアをアメリカ、日本、オーストラリアなどとの伝統的な連携から抜けさせる任務を与えられている」

書簡では中国への強い危機感を示し、「ミクロネシアの政府高官らは中国に賄賂で買収され、中国の利益のために行動している」とも非難しました。

そして…

ミクロネシア パニュエロ前大統領
「2月に台湾の外交部長と会談し、中国の代わりに台湾と外交関係を樹立した場合、どのような支援が可能か聞いた」

中国と断交し、台湾との外交関係樹立を模索していたことも明かしていました。

一方、シミナ新大統領は就任前には議長として「ひとつの中国」政策を堅持する決議に携わっていて、今後の外交姿勢が注目されます。

市民の反応は…

市民
「(Q.新大統領には前大統領の対中路線を引き継いでほしいか)引き継いでほしいです」
「よくわからないけど、良い関係を築いてほしい」

南太平洋にはアメリカも関与を強めていて、G7サミット後の22日にはバイデン大統領がパプアニューギニアを訪れ、ミクロネシアを含む18の島しょ国首脳と会談する予定です。