新潟県内を走る『上越新幹線』が、2030年代中ごろに“自動運転”での営業を目指していることがわかりました。

JR東日本によりますと、2021年の秋には既に「新潟駅」から「新潟新幹線車両センター」のおよそ5kmの間で自動運転の試験走行を実施しており、自動列車運転装置の開発を進めたうえで、2020年代末には同区間の“完全無人”の自動運転を実用化するとしています。

その後2023年代中ごろには、「MAXとき」が引退した2021年以降『上越新幹線』で全面的に採用されている「E7系」の車両に“自動列車運転装置”を設置し、東京~新潟駅間での営業運転を目指す方針です。

また、この「E7系」と同等の車両はJR西日本でも運行されているため、両社では今年4月に技術協力の覚書を交わし、将来的な『北陸新幹線』での自動営業運転もすすめたいとしています。

一方でJR東日本の『東北新幹線』は、『秋田新幹線』や『山形新幹線』が繋がった状態で運行することも多いため、自動運転化の見通しは立っていません。

自動運転化の“意義”についてJR東日本の深沢祐二社長は「自動運転は労働力不足への対応に加え、ヒューマンエラーの防止や、ダイヤの乱れからのスムーズな回復運転にも役立つ」と9日の定例記者会見で述べています。

少子高齢化や人口減少の傾向がみられる日本国内では、将来的な労働人口の減少も懸念され、そのような状況下での公共交通機関としての“鉄道網”維持に「自動運転機能」は欠かせないといわれています。
運転士を補助する形での自動運転装置を用いた“営業運転”は、JR九州が2020年末からJRでは初めて香椎線で行っていて、その運行範囲を徐々に広げています。