2021年に起きた静岡県熱海市の土石流災害。5月12日に行われた市議会百条委の証人尋問で、前の土地所有者は盛り土造成を主導したことを真っ向から否定し続ける形となった。
そうなると、誰がこの危険な盛り土の「責任者」といえるのか。
12日の百条委員会は、虚偽の説明をすると罰則を科される可能性がある証人尋問だった。注目は「危険な盛り土をつくった主導者は一体誰なのか?」。この1点に尽きる。実際に盛り土の造成に関与したとされる現場業者の証言をまとめた。
盛り土の施工業者
「規定量の中で土は盛った」
「前の土地所有者からの指示だった」
土砂の運搬業者
「盛り土の場所には搬入していない」
「前の土地所有者と施工業者が盛りすぎた」
現場責任者とされる男性
「盛り土造成や残土搬入には関わっていない」
「盛り土は前の土地所有者が管理していた」
共通して主張するのは、主導していたのは、前の土地所有者だったということだ。しかし、前の土地所有者は「自分は名義だけ。土地を貸して施工業者にすべて任していた」と危険な盛り土への関与を真っ向から否定した。
12日に初めて証言に立った現在の土地所有者は、盛り土の危険性について、「段々になっている敷地に木を植えただけ」としていて、盛り土の存在も危険性も知らなかったとしている。
現土地所有者代理人
「土地を取得した時に土石流崩落開始地に盛り土があることは知らなかった。そこが危険かも知れないということも知らなかった。まして、そこにさらに盛り土をすることもしていない」
「よく覚えていないという話がいっぱい出ましたが、彼はもうすぐ86歳。高齢による記憶力の衰えは争えない。事実と異なるような証言は彼はしていない。うそもついていなければ、あいまいな表現はあっても、明らかな間違いはない」
誰も責任に言及しない中で、被災地や遺族の思いは置き去りにされている。
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