2022年11月3日にリニューアルオープンした岡山城には、全国的にも珍しい、個人で「天守閣を借りられる」というサービスがあります。4月15日、この天守閣で結婚披露宴が行われました。歴史好きの2人の理想を形にした、一風変わった披露宴です。

「新郎新婦ご入城!」新郎の衣装は自前の甲冑。新婦は和風のドレスです。

披露宴の場所は令和の大改修を経て、生まれ変わった岡山城。

50人ほどが集まり、ちょっと変わった、しかしながらこの場所にふさわしい結婚披露宴=婚礼の儀です。

主役は岩本尚也さんと真紀子さん。日本刀で入刀です。

「2人とも、奥さんと僕はお城が好きなんで」

「だんなに会う前から決めていたことで、結婚式はお城で挙げるっていうのはたまたま意見があったので」

岡山市の水道工事会社に勤める岩本さんと介護士の真紀子さんの出会いは5年前。

共通点は歴史好きということです。

城巡りで知り合い、3年前の「お城の日」4月6日に婚姻届けを提出しました。岡山城で披露宴ができると知り予約をしていましたが、新型コロナで延期に。

その後、コロナも落ち着いたことから2度目の予約をすると今度は城の改修で中止になりました。

「もうどうしてもしたかったので、もやもやがあったので、逆に岡山城がリニューアルしてきれいになった岡山城の天守で、できるというのはすごくいいなと思っています」

お色直しをして登場した二人。

「装いはこれまた共通の趣味にちなんで新郎は古墳時代の男性、新婦は卑弥呼の姿で登場です」

「三種の神器の贈呈です」

指輪交換の代わりに新郎から新婦には、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)などの三種の神器が、新婦から巨大な銅鐸が手渡されると会場の雰囲気は最高潮に。

(友人)「なかなかできる経験ではないので、涙がでちゃうぐらいですね」

(新郎新婦)「よかったですね。ぜひ僕らに続いてこれから結婚を控えている方もやってもらいたい」

「激しい結婚式を」「僕らに負けないぐらいの」

岡山城での異色の披露宴。2回の中止を経て、やっと叶ったカップルの希望です。2人の行く末も岡山城が見守っています。お幸せに。

(スタジオ)岡山城の入場者数はリニュアルオープンから今年3月までの集計で、20万2418人と、新型コロナ禍前の同じ時期と比べて約1.8倍となっています。全国的にも珍しい、個人使用で「お城の天守閣を貸し出す」というサービス。

天守閣の全フロアを閉館後の午後5時半から午後9時半まで借りられるということです。料金は10万円です。人気が高く、1日1組に限られるため、年内ぐらいまで週末の予約は一杯となっているそうです。平日の予約はまだ空きがあるということです。