義務教育を十分に受けられなかった人が通う「夜間中学」。福島市では、10年以上にわたり、市民が自主的に夜間中学を運営してきました。この自主夜間中学で生徒たちが作った校歌を多くの人に知ってもらおうと、CDを作ることになりました。

4月9日。「福島駅前自主夜間中学」の生徒たちが集まりました。10代から90代まで、幅広い年齢の生徒が通うこの夜間中学では、大切にしているものがあります。

校歌「吾妻の山の種まきうさぎ~♪」

みんなで歌詞を考えた校歌です。4年前に完成し、夜間中学の授業の合間に、歌い継いできました。この校歌をより多くの人に知ってもらおうと、CDにして配ることになり、この日、レコーディングが行われました。

作曲を手がけたのは、福島市ゆかりの音楽家、大友良英さん。夜間中学の「講師」として、レコーディングに駆けつけました。

校歌「生徒が主役の中学校~♪」

大友良英さん「いいんじゃない、ばっちりだよ」

これまで、何度も歌ってきた校歌だけに、仕上がりは上々です。

生徒「私、90歳なんですね。自宅で練習したが声が出なかった。しかしみなさんの力を借りて楽しく歌えて幸せ」
生徒「ここでみんなと校歌を作った時のことを思い出した。本当に良い校歌だと歌いながらしみじみと思った」

福島市には来年4月、県内で初めて公立の夜間中学が開校します。自主夜間中学を創設し、10年以上にわたり、公立校の設置を求めてきた大谷一代さんは…。

福島に公立夜間中学をつくる会・大谷一代代表「本当に良い歌でずっと歌い継ぎたいと思った。(公立夜間中学の)校歌にしてもらうのは難しいと思うが、少なくとも“愛唱歌”にしていただけるよう働きかけていく」

歌詞に込めた思いが多くの人に届くよう、大友さんも期待を寄せています。

大友良英さん「みんなで作るという考え方がすごくいいので、これからできる公立夜間中学にもいかしてほしい」