福島県内で不登校の児童・生徒が増える中、そうした子どもたちの受け皿となっているのが、フリースクールです。福島市のフリースクールでは、子どもたちの問い合わせが増えていますが、現場では、スタッフの人手不足を抱えています。

松井綾乃アナウンサー「福島市にあるフリースクール「ビーンズふくしま」に来ています。こちらにはおよそ30人の子どもたちが日々通っているんです。」

不登校の子どもや引きこもりの青年などが通うフリースクール。こちらは、福島市のNPO法人が運営しています。

ビーンズふくしま・菅野多美子事業長「安心して自分のやりたいことを選択できて自由に過ごせる、本当に安心できる場所としてフリースクールは存在しています」

小学生から20歳までの27人が通っていますが、そのなかでも高校生が12人と特に多くなっています。中学生の頃からここに通っているという高校生は…。

高校3年生「中学校の時にどうしても人間関係でうまくいかなくて不登校になってしまって、そのときにタブレットで調べていたらここが出てきた」

不登校になるきっかけは、いじめだけでなく学校で周りとの人間関係がうまくいかなくなる、みんなと同じことを行うのが苦痛に感じてしまうなど、様々です。通っている児童や生徒の多くはここで生活する中で、自分に自信を取り戻していくといいます。

高校3年生「(ここに来て)よかったです。自分もあったんですけど、不登校になったからとか、学校に行けなかったからとか、そういうので人生終わりとか自分はダメなんだというわけではないので」

また、こちらではコロナ禍前に比べてここ2年ほどは、見学の問い合わせの数が倍増しているといいます。しかし、運営スタッフは3人。多くの子どもたちに手を差し伸べたいと思う一方、人手不足にも苦しんでいます。ビーンズふくしまでは、行政との連携を求めています。

ビーンズふくしま・菅野多美子事業長「金銭的な面でお願いしたいところはある。行政でなかなか難しいところを私たちフリースクールで一緒にやらせてほしいなと、一緒に子どもたちを助ける」

子どもたちを守るためには、行政とこうした民間の施設が手を取り合う必要がありそうです。なかには、子どもをフリースクールに通わせたいけれど貧困家庭でお金の工面ができず、通わせられないというケースもあるそうで、ビーンズふくしまは、行政には経済的な支援もしてもらいたいと話していました。

取り残されてしまう子どもを出さないために、大人がよりしっかりと向き合っていく必要があります。