宮崎市は、6日、市内の保育施設でうつぶせ状態で寝ていた0歳児が死亡したと発表しました。
国のガイドラインでは、原則、乳児をうつぶせで寝かせないよう求めていますが、施設では過去にも、乳児をうつぶせで寝かせていたことが市の調査で分かっています。
乳児をうつぶせで寝かせるリスクについて医師に聞きました。

先月19日、宮崎市内の保育施設で職員らがうつぶせの状態で昼寝をしていた0歳児の異変に気付き、乳児は救急搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。


乳児の死因はまだ判明していませんが、国のガイドラインでは、睡眠中の窒息事故などを防ぐため、医師からすすめられている場合以外は、乳児をうつぶせで寝かせないよう求めています。


うつぶせ寝のリスクについて、宮崎生協病院小児科の上野 満 医師は。

(宮崎生協病院小児科 上野 満 医師)
「乳児突然死症候群(SIDS)という病気が原因不明だが、この病気で亡くなってる状態で見つかる子が仰向けよりもうつ伏せの方が多いという事実が分かりできるだけ仰向けで寝かせましょうとなっている」


乳児突然死症候群は、乳児が、事故や窒息ではなく、眠っている間に突然死亡してしまう病気で、おととしは全国で81人が死亡しました。


上野医師によると生後2か月から9か月くらいまでの間に発症しやすく、うつぶせ寝の場合、あお向けと比べてリスクが3倍程度高まるということです。


(宮崎生協病院小児科 上野 満 医師)
「(発症しやすい)その頃まではできるだけ仰向け。ご本人が寝返りができるようになる7ヶ月以降に親御さんが一晩中ずっとそばに付いておくわけにはいかないので、その時点ではもううつ伏せになったらなったでしょうがないと。ただ、見つかったときは仰向けに直してあげるといいですよね、とていうレベルだろうと思います。」

一方、今回の保育施設では、職員の数が不足していたことも判明しました。

日本小児科学会の坂本昌彦指導医は、業界の人手不足の課題にも目を向けるべきと話します。

(日本小児科学会 坂本昌彦 指導医)
「昼寝の時間に0歳児は5分に1回1歳児は10分に1回と大体そういった形でこまめにチェックしている園が多い。保育園ではそういう見守りをこまめにしているのを、一般の皆さんにもこの機会にひとつ知ってほしい。保育士さんだけ頑張れではなく社会全体でどういう対策があるのか考えていくことが大事」


国では、乳児突然死症候群の発症率を低くするための対策として、うつぶせ寝のほかにも、乳児のそばで喫煙をやめることや、母乳での育児を挙げています。